研究課題/領域番号 |
08457128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
那須 民江 (中島 民江) 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
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研究分担者 |
太田 節子 信州大学, 医学部, 助手 (90143974)
福嶋 義光 信州大学, 医学部, 教授 (70273084)
佐藤 章夫 山梨医科大学, 教授 (40020747)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 食道がん / 中国 / 食生活 / 栄養摂取状況 / p53 / 喫煙 / 飲酒 / 疫学 / P53 / 食道癌 / ビタミンA / βカロテン / ビタミンE / セレン / ビタミンC / カロテン / シトクロムP450 |
研究概要 |
1. 食道癌の高発地域(食道癌死亡率137/10万)、中発地域(76/10万)、および低発地域(8/10万)各々の住民300名(男150名、女150名)、食道癌患者それぞれを対象として栄養摂取状況および生活習慣の調査を行った。その結果、食道癌高発地域の住民は、肉類、果物類、芋類、野菜類の摂取量が著しく少ないことが明らかとなった。さらに食道癌高発地域の栄養摂取状況は食道癌患者に酷似していた。一方、従来食道癌の原因とされていた酸菜や古い穀類の摂取頻度、熱い物の摂取習慣は食道癌低発地域の方が多く、これらの食道癌への寄与は少ないと思われた。栄養素摂取量にも地域差がみられ、ビタミンCやカロテンの摂取量は食道癌高発地域住民において低かった。また、高発地域住民においては総摂取エネルギー量も低かった。血清ビタミンA、β-カロテンは低発地域住民が低い傾向であった。喫煙と飲酒習慣は食道癌の死亡率と関連性を持たなかった。 2. 食道粘膜組織にシトクロムP450およびグルタチオンSトランスフェラーゼが発現していることが明らかにされ、発癌物質の活性化や不活性化が食道で行われることが明らかとなった。 2. 食道癌患者65名のうち、SSCPでp53遺伝子変異が確認されたのは27名(41.5%)で、男女差は認められなかった。変異はエクンン5(9名)、6(3名)、7(3名)、8(12名)で、エクソン5と8に多く(78%)みられた。対象者の食生活状況をp53遺伝子変異の有無で比較した。両者の間に年齢、総摂取エネルギー、栄養素およびビタミン類の摂取量の差は認められなかった。穀類、緑黄色野菜類、その他の野菜類の摂取量にも差が認められないが、肉類の摂取量はp53遺伝子変異を持たない者の方が低かった。食生活習慣との関連性も検討した。p53遺伝子の変異は喫煙、飲酒、労働強度や辛い食べ物、熱い食べ物、干芋、古い穀類の摂取習慣、とうもろこしや粟の摂取習慣とも関連性を持たなかった。浅い井戸水の使用はほとんど全てのがん患者に認められ、p53変異との関わりは観察されなかった。
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