研究課題/領域番号 |
08457137
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
徳留 信寛 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00037441)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 大腸腺腫摘除 / 腫瘍発生 / 脂肪摂取 / n-3多価不飽和脂肪酸 / 無作為割付臨床試験 / 大腸腺腫 / ポリペクトミ- / n-3系多価不飽和脂肪酸 / n-6系多価不飽和脂肪酸 / フォローアップ / 腺腫発生 / 食生活介入 / 腺腫再発 / N-3多価不飽和脂肪酸 |
研究概要 |
【目的】大腸腫瘍摘除後の腫瘍発生に関するn-3PUFAの制御を明らかにするためにRCTを行なっている。 【研究対象者と研究方法】某大学病院内科において大腸腫瘍の内視鏡的摘除を受けた患者のうち、出血性素因・大腸がんの既往・大腸がんの遺伝性素因などを有しない患者をRCTの対象とした。まず、実験群・対象群の、無造作為割付を行い、両群からRCTに対する陰フォームドコンセントを入手した。実験群には、a)総脂肪摂取制御、b)n-6PUFA(リノール酸など)を多く含む植物油摂取の制御、c)魚介類摂取の勧奨、d)α-リノレン酸を含むしそ油摂取の奨励、e)魚油製剤(EPA:100mg/day、DHA:400mg/day相当量)摂取の勧奨を行なっている。対照群には総脂肪摂取制御を介入している。 介入へのコンプライアンスは、半定量食物摂取頻度調査票による食生活調査、しそ油・魚油摂取状況調査および血漿・赤血球膜・大腸粘膜中脂肪酸構成などにより評価を行う。また、n-3PUFA投与による副反応は、プロトロンビン時間及び過酸化脂質などにより評価する。生物学的中間指標には、細胞増殖・細胞周期分析、COX2の発現、PGE2レベル、アポトーシスマーカーなどの分析を行う。エンドポイントは両群間の大腸腫瘍発生(腫瘍数、性状・形態、腫瘍サイズなど)を比較する。なお、本実験プロトコールは本学倫理委員会の審査をクリアしている。 対照群中の腫瘍摘除後3〜5年後の腫瘍発生頻度を50%として、両群間の相対危険度を2、α=0.55(両側)、β=0.20(片側)とすると、症例群・対照群ペア数は50〜100例となる。現在、このペア数を目標にRCTを展開している。 【予備的結果】これまでに研究対象者58名(男44名、女14名)(実験群30名、対照群28名)について介入を実施した。この度、コンプライアンスマーカーとして、介入から6ヶ月経過した実験群20名、対照群12名の血漿中脂肪酸濃度およびその比に関して、介入前と介入後の変化の予備的集計を行ったので報告する。 実験群および対照群において血漿中総脂肪酸は減少していた。実験群に対して摂取をしたn-6PUFAは減少し、摂取を奨励したn-3PUFAは上昇し、その結果、n-6PUFA/n-3PUFA、アラキドン酸EPA、アランドン酸DHAは減少した。介入12ヶ月後の腫瘍の数は実験群が対照群より少なく、腫瘍0個の割合は実験群の法が多い傾向にあった。 今後、対象者数を増やし、コンプライアンスを維持し、中間マーカーの分析を試み、エンドポイントの解析に耐えうるデータ維持・管理を継続する必要がある。
|