研究課題/領域番号 |
08457141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
東 敏昭 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10119000)
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研究分担者 |
八幡 勝也 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (10248594)
織田 進 産業医科大学, 医学部, 教授 (80035237)
津田 徹 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (60207389)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | じん肺 / デジタル化 / 胸部レントゲン写真 / IS & C / IS&C / 医療画像 / 工業用繊維 / 医療情報 / 画像処理 / 石綿 |
研究概要 |
職業性呼吸器疾患における評価の根幹をなす胸部レントゲン写真を電子化し、診断に利用することの有用性や、精度の問題について検討を行った。胸部レントゲン写真はフィルムスキャナーで画像取込みを行い、本邦における医療画像の電子保存の標準規格であるIS&C(Image Safe & Carry)標準規格に基づき光磁気ディスクに保存した。対象は1975年の特定化学物質等障害予防規則の大幅改正以後に石綿含有製品の製造工程に従事するようになった作業者(422人)。対象者の作業従事開始時および最近の胸部レントゲン写真を比較することで、石綿曝露による経時的な変化を検討することを試みた。また併せて喫煙歴や作業従事期間などの情報のデータベース化を行った。胸部レントゲン写真の読影結果においては、従来のアナログフィルムを用いる手法と、デジタル化した後CRTディスプレーを用いて読影を行ったものとの間に有意な差は認められなかった。肺野病変の進行においては、目立った変化が認められたものは少なく、変化を認めたものにおいては喫煙率が高かったことから、喫煙の影響が疑われた。胸膜の変化においては、胸膜所見が従事期間中に発生したものがわずか1例しか認められなかった。また、撮影されたレントゲンフィルムの画質については、18%が欠損や線量不足等の読影に不適当なものとして認められ、今後の健診等においての精度管理が重要であると考えられた。一方、デジタル化された画像においては線量過多および線量不足の画像の濃度分布を調整することが可能であり、読影をより行いやすくすることがわかった。このことは画像をデジタル化することが単に保存時の省スペース化や画像の劣化防止に有用であるだけではなく、読影・診断といった情報の本質的な要素に有効に働くことが示唆された。
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