研究課題/領域番号 |
08457152
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾崎 承一 京都大学, 医学研究科, 講師 (00231233)
|
研究分担者 |
細田 公則 京都大学, 人間環境学研究科, 助手 (40271598)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
キーワード | 慢性関節リウマチ / 滑膜細胞 / 滑液 / IgG / cDNA / expression cloning / follistatin-related protein / 遺伝子工学 / follistatin related protein / 自己抗原 / ホリスタチン関連蛋白 / 滑膜 / クローニング / グルタチオンSトランスフェラーゼ |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の病因及び病態形成に関与すると思われる未知の滑膜抗原を同定するため、RA患者培養滑膜細胞によりλファージcDNAライブラリーを独自に構築し、RA患者滑液IgGをプローブとしたexpression cloningを行った。その結果、滑膜抗原として3つの蛋白分子をクローニングした。うち1つは、既報のホリスタチン関連蛋白(follistatin-related protein:FRP)と同一の塩基配列を有していたが、他の2つは新規な蛋白質であった。 FRPのmRNAの発生は滑膜をはじめ広く諸臓器で認められた。大腸菌発現のリコンビナントFRP抗原を用いたイムノブロットでは、RA患者67例中20例(30%)で抗FRP抗体が検出され、これは全身性リウマチ性患者のうち最も高頻度であった(SLE:10%、強皮症:17%、シェグレン症候群:10%、筋炎:0%)。FRP分子はFSドメインとECドメインを有するが、ほとんどの抗体のエピトープはECドメイン内に証明された。RA患者において抗体陽性群と陰性群では男女比・年齢・罹病期間に有意差はなかったが、臨床データではCRPとESRが陽性群で陰性群に比し有意に高値であり(CRP:p<0.05、ESR:p<0.01)、抗FRP抗体はRAで炎症反応の強い例に多く検出されることが明らかとなった。さらに陽性群は陰性群に比して血清採取後1年間の治療経過での投薬の強化例が多く、逆に緩和例が少なかった。FRPはホリスタチンとのアミノ酸配列の類似性により何らかの活性阻害物質であることが推定されており、そのような活性阻害物質に対する抗体は阻害の解除という点でRAの病態形成に関与することが推定された。さらに、抗FRP抗体が治療抵抗性を示す例で検出され易い傾向より、この自己抗体はRAの治療予後の指標となる可能性が示唆された。
|