研究課題/領域番号 |
08457193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30143811)
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研究分担者 |
伊佐敷 靖 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70168160)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00041351)
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | HTLV-1 / HAM / in situ PCR / プロウイルス量 / 持続感染 / 免疫組織化学 / 分子病理 / HTLV-I / ウイルス |
研究概要 |
本研究の目的はHAM等の難治性ウイルス神経疾患の病態を分子病理学的に解析し、ウイルスの持続感染成立の機序、持続感染から発症に至る経過、疾患の進展に関わる要因をウイルスと生体の相互作用の観点から明らかにすることである。HAM脊髄病巣でのHTLV-Iの局在について、剖検例のin situ hybridizationにより活動期病変にて血管周囲に浸潤するリンパ球にTax mRNAが発現していること、in situ PCRと免疫染色の2重染色法により、脊髄病巣のHTLV-I感染細胞は血管周囲の浸潤T細胞であり、グリア細胞など神経組織固有の細胞ではないことを明らかにした。HTLV-I プロウイルス量をHAM患者202例、患者家族を含むHTLV-Iキャリアー206例の末梢血にてTaqMan PCR法で定量した。HAM患者ではウイルス量が多く、急速進行例は特に高値で、プロウイルス量と抗体価、髄液ネオプテリン値とに相関をみとめた。また、末梢血リンパ球、髄液細胞の塗沫標本のHTLV-I in situ PCR,高感度免疫染色によるTax蛋白の発現を検討し、陽性細胞はHAMの病悩期間の短い例で多く、髄液ネオプテリン値と相関していた。以上の結果よりHAMの病勢にウイルスの動態が深く関与しており、ウイルス量、ウイルス蛋白発現の抑制がHAMの治療戦略として有効であることを明らかにできた。一方、HTLV-Iの潜伏感染様式を探るために500連続症例の血中プロウイルスと抗体の有無を検討し、抗体陰性のまま長期経過するセロネガティブキャリアーはほとんどいなことを明らかにした。また、扁桃摘出術の連続100例について扁桃組織での感染細胞の有無を検討し、抗体陽性者全例で傍皮質領域にプロウイルスが存在していた。母乳による母児間感染での感染成立・潜在部位として扁桃組織が重要であることを初めて示した。ヘルペスウイルス群による神経感染症についてもサイトメガロウイルス脳炎例でのガンシクロビル耐性の機序を明らかにした。
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