研究課題/領域番号 |
08457199
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
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研究分担者 |
片岡 則之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20250681)
松本 健郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30209639)
田林 晄一 東北大学, 医学部, 教授 (90142942)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 物質透過性 / 接着たんぱく / せん断応力 / 内皮細胞 / 血流動態 / 接着蛋白 / 局在性 |
研究概要 |
血管内皮細胞は、血流のパターンを反映して自らの形態や機能を変化させることが知られており、このような変化が動脈硬化の発生に深く関与していると考えられる。本研究では、動物実験と培養内皮細胞を用いた実験を行い、動脈硬化発生の局在性を多面的に検討した。 本研究によって得られた結果の概要は次のとおりである。ラットおよびモルモットを用いた動物実験により二次流れや逆流などの複雑な血流パターンが存在する大動脈弓部では、血流が比較的単純だと思われる胸大動脈と比較して、物質透過率が低く、また単球に対する接着分子の分布が大きく異なっていることを明らかにした。また、培養内皮細胞を用いた実験より、内皮細胞は流れの大きさや方向を関知している傍証を得た。大動脈弓部などの動脈硬化好発部位に存在する二次流れや逆流などのように時間的、空間的な血流の方向変化が血管病変を誘発するような内皮細胞の形態や機能変化を招くと考えられる。また、この流れの感知にはF-アクチンフィラメントが重要な役割を担っていると考えられる。本研究ではさらに、内皮細胞のせん断応力感知機構に加えるため、細胞の力学的特性の測定を行うため複合型原子間力顕微鏡システムの開発、動物実験と培養細胞を用いた実験の両者の欠点を補う新たな実験系の開発を行い、それぞれ成功をおさめた。現段階では、具体的にどのようにして内皮細胞がせん断応力の大きさや方向を感知しているか、また流れの方向変化がどの様な機序で内皮細胞に致命的な機能障害をもたらすかは明らかではない。今後、上記の実験システムを用いてより詳細に内皮細胞の機能を明らかにしていく必要がある。
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