研究課題/領域番号 |
08457201
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
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研究分担者 |
新井 昌史 群馬大学, 医学部・附属病院, 助手 (60270857)
中村 哲也 群馬大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272238)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 平滑筋 / 再狭窄 / 老化 / ミオシン |
研究概要 |
(1)平滑筋形質変換の分子機構を探るため、胎児平滑筋型ミオシンであるSMemb遺伝子に結合して転写活性を亢進する転写因子BTEB2の機能を解析した。BTEB2は同遺伝子の転写を約6倍に亢進した。またBTEB2と同一の転写因子群(Kruppel family)に属するLKLFもSMemb遺伝子プロモーター活性を約10倍に亢進した。さらにBTEB2は肥厚内膜の平滑筋で著明に発現していた。以上からKruppel family遺伝子は平滑筋の形質変換に基本的な役割を担っていると考えられた。一方、ホメオ蛋白Hexも同様に強いSMemb遺伝子転写活性をもつことが示された。 (2)Na/H逆輸送担体を過剰発現するトランスジェニックマウスの開発中に、偶然、導入遺伝子がマウスの未知遺伝子をノックアウトした老化モデルマウスを樹立した。老化マウスは生後約4週で成長が停止し、寿命はオス7.9週、メス9.5週である。また動脈硬化・僧帽弁輪石灰化・骨粗鬆症などが認められた。A)肺:野生型マウスと比較して気腫性変化が強く肺気腫の所見であった。さらにホモ個体では、野生型と比較して動肺コンプライアンスが有意に大きかった。B)血管:ホモ個体では、中膜石灰化と内膜肥厚が全身の様々な血管で生じていた。ヘテロ個体においてLNAME非存在下では、ノルエピネフリンに対する収縮反応が有意に亢進していた。また、アセチルコリンによる弛緩反応も有意に低下していた。すなわち、この老化マウスでは血管内皮細胞におけるNO産生障害が存在すると結論された。C)膵内分泌機能:老化マウス群の膵臓インスリン含量は、各週令とも対照群と比較し有意に低かったが、グルカゴン含量には差を認めなかった。老化マウスの原因遺伝子はすでに単離され、腎臓に大量に発現する未知の遺伝子である。すなわち腎臓では老化抑制機能をもつ生理活性物質が産生されている。その生理機能と発現調節は今後の課題である。
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