研究課題/領域番号 |
08457207
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松森 昭 (松森 明) 京都大学, 医学研究科 (70135573)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | C型肝炎ウイルス / 心筋症 / 拡張型心筋症 / 肥大型心筋症 / 心筋炎 / PCR法 / 肝炎 / ウイルス |
研究概要 |
【目的】近年、われわれの研究により、心筋症の病因としてC型肝炎ウイルス(HCV)感染の重要性が明らかになった。拡張型心筋症53例中8例(15.1%)、肥大型心筋症66例中11例(16.7%)において血清HCV抗体が陽性であった。これは虚血性心疾患40例中1例(2.5%)に比し有意に高頻度であった(p<0.05)。HCV抗体陽性であった拡張型心筋症8例において、7例は心不全、1例は心室頻拍、3例は急性心筋炎が疑われる病歴を有していた。また、5例の心筋標本からHCVゲノムのプラス鎖RNAを認め、このうち3例ではマイナス鎖RNAを認めた。一方、HCV抗体陽性であった肥大型心筋症11例においては、剖検心1例および生検心筋5例の6例前列の心筋標本からウイルスRNAを認め、このうち2例では血中HCVRNAが検出されなかった。また、多施設の共同研究としてわが国おける心筋症におけるHCV感染およびHCV抗体陽性者の臨床像に関するアンケート調査を行った結果、拡張型心筋症619例中37例、(6.0%)、肥大型心筋症585例中61例(10.4%)において血清HCV抗体が陽性であった。一方、HCV抗体陽性者は11,210例中604例(5.4%)に見られた。このHCV抗体陽性例の臨床診断名は不整脈、高血圧症をはじめとして多くの疾患でみられ、HCV感染は心筋症意外の心疾患にも関与している可能性が示唆された。HCV抗体陽性例における心電図異常は62.8%にみられ、不整脈、伝導障害が46.6%と最も頻度が高く、左室肥大が65.9%、非対象中隔肥大が28.9%にみられ、また駆出率の低下も34.4%にみられた。これらの結果から、HCV感染は心筋症に加え他の心異常をきたす可能性が示唆された。
|