研究課題/領域番号 |
08457215
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
島田 和幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (90145128)
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研究分担者 |
色川 正彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (80296087)
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 助手 (40296108)
藤川 日出行 自治医科大学, 医学部, 講師 (00238544)
池田 宇一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (30221063)
小口 朝彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (10233488)
西永 正典 自治医科大学, 医学部, 助手 (50265245)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | VEGF / 血管内皮細胞 / アデノ随伴ウイルス / 心筋細胞 / 細胞増殖 / 遺伝子導入 / 血管 |
研究概要 |
【目的】Vascular Endothelial Growth Factor (VEGF)は血管内皮細胞の増殖や透過性を亢進し、新生血管の形成を促進する増殖因子である。我々は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いてVEGF遺伝子を心筋細胞に導入し、心筋細胞より産生、分泌される内因性VEGFにより血管内皮細胞の増殖促進が可能か検討した。 【方法】VEGF発現AAVベクター(AAV-VEGF)を作成し、新生仔ラット心筋細胞にVEGF遺伝子導入を行った。導入遺伝子の発現はImmunoblot法及び免疫染色により確認した。培養上清中のVEGF濃度はELISAにて測定した。ヒト臍疎帯静脈内皮細胞(HUVEC)の増殖能は3H-thymidineの取り込みにより評価した。 【結果】Immunoblot法により培養心筋細胞にVEGFの発現が確認され、免疫染色では約60%の細胞が陽性に染色された。培養上清中に分泌されたVEGF濃度は、ベクターの濃度依存性に増加し、最大で10ng/mlに達した。この培養上清をHUVECの培養系に添加することによりHUVECの3H-thymidineの取り込みは対照の601.5%まで増加し、さらにこの細胞増殖促進作用はVEGF中和抗体の存在下で有意に抑制された。 【結論】我々は既に、細胞障害性が無く、非分列細胞にも遺伝子導入可能であり、導入遺伝子の発現が長期間持続するAAVベクターが、心筋細胞に対して効率的に遺伝子導入が可能であることを報告している。今回、AAVベクターにより遺伝子導入された培養心筋細胞より分泌されるVEGFは血管内皮細胞の増殖活性を持つことが示された。このことより、AAVベクターによる心筋へのVEGF遺伝子導入は、血管内皮細胞の再生を促し、不安定プラークの破綻を予防する可能性があると考えられた。
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