研究課題/領域番号 |
08457218
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
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研究分担者 |
呉 繁夫 東北大学, 医学部, 助手 (10205221)
松原 洋一 東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 肝酵素欠損症 / フェニルケトン尿症 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / 血中フェニルアラニン値 / 体毛色 |
研究概要 |
肝細胞を標的とした効率的な遺伝子治療法を確立することを目的として、フェニルケトン尿症(PKU)のモデルマウスを用いて検討した。これまで、ヒトPAHのcDNAを組み込んだ非増殖型組換えアデノウイルスを、モデルマウスの尾静脈に注入することによって、血清フェニルアラニン値は正常化し、色素欠乏症状は改善するとの成果を挙げてきたが、効果持続時間が短く、また再投与による効果が見られなかった。そこで本年度は宿主の免疫反応、およびFK506の投与効果について検討した。1)組換えアデノウイルス(1.0×10^9p.f.u/mouse)をモデルマウスの尾静脈から注入し、経時的に血清GPTを測定したところ、遺伝子導入7日目をピークとして顕著な上昇が認められた。このときの肝組織所見では、単核球の著明な浸潤と肝細胞策の乱れを伴う肝炎像が観察された。また、アデノウイルスに対する血清抗体価の上昇が認められた。2)組換えアデノウィルスを、尾静脈に注入するとともに、FK506の連日投与を行った。血清フェニルアラニン値の正常化期間は7日から35日間に大幅に延長し、血清GPT値の上昇は認められず、7日目の肝生検でも組織学的異常は認められなかった。55日目に組換えウイルスの再投与を行ったところ、初回投与と同等の効果が観察された。3)FK506の投与を14日間に限定しても連日投与と全く同等の結果が得られ、再投与も有効であった。以上に見る如く、アデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入には免疫抑制剤FK506の併用が極めて有効であり、アデノウイルス投与に伴う免疫反応を抑制するとともに遺伝子治療効果の延長と再投与を可能にした。
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