研究課題/領域番号 |
08457233
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
飯塚 一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90113513)
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研究分担者 |
高橋 英俊 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00216748)
山本 明美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30241441)
橋本 喜夫 (橋本 善夫 / 橋本 韋夫) 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (70172880)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 乾癬 / インボルフリン / シスタチンA / ロリフリン / プロテインキナーゼC / 顆粒層 / AP-1 / インボルクリン / ロリクリン / フィラグリン / トランスグルタミナーゼ / 角化 / ケラトリニン / 周辺帯 |
研究概要 |
周辺帯形成に関与する角化関連タンパクの発現を正常表皮と比較検討し、乾癬においてインボルクリンは、角質層上層に至るまで陽性であるのに対し、正常では口リクリンが周辺帯に組み込まれ、その過程でインボルクリン-エピトープがマスクされることを示した。またSprr,trichohyalinの発現の変動も明らかとなった。ケラトリニンに関しては、ケラトリニンがシスタチンAと同一タンパクであることを証明した。あわせてシスタチンA遺伝子発現の検討を行いTPA-protein kinase Cシグナルにより正の制御を受けていることを明らかにした。さらにシスタチンAの発現が、乾癬表皮で増強しているという知見も得た。これらの結果は、乾癬では表皮細胞の増殖亢進にともないターンオーバー時間が短縮しており、ロリクリンやフィラグリンといった最終角化マーカーが間にあわない状況で、辺縁帯の形成が起こってしまうとするわれわれの仮説に合致するものと考えられる。乾癬の角化はprotein kinase Cシグナルに基づくAP-1依存性の角化マーカーの転写亢進と、終末角化の早期発現による角化の中断機構のもとに現れることが明らかとなった。さらにインボルクリンについてはprotein kinase C-α,ηの関与が、シスタチンAについてはprotein kinase C-αの関与が証明された。近年、角化過程におけるアポトーシスの関与が注目されている。終末角化の早期発現は加速されたアポトーシスとして捉えられることが示された。加速された細胞死は、急速なターンオーバーと同値であり、個々の細胞にとっては、終末角化に至る持ち時間の短縮にほかならない。乾癬は通常、顆粒層の欠損で特徴づけられるが、現実の乾癬においては、かなりの確率で顆粒層プラスの乾癬が存在する。顆粒層プラス、マイナスの両者はターンオーバー時間の差により発現されることがわれわれの解析により示され、乾癬の終末角化の発動時期について、インボルクリン、フィラグリン、ロリクリン、Sprr、その他の角化マーカーの極めて秩序だった発現システムの存在が想定される。
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