研究課題/領域番号 |
08457239
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉川 宏起 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10272494)
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研究分担者 |
戸辺 公子 都立墨東病院, 放射線科, 医長(研究) (50262077)
鈴木 捷三 東京都老人総合研究所, アイソトープ部, 部長 (30012743)
浅井 佐江 東京大学, 医科学研究所, 助手
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 肺野病変 / MRI / 組織内自由水分布 / 肺梗塞 / 肺水腫 / 肺線維症 / 拡散強調画像 / 動物実験 |
研究概要 |
ファントム実験:海綿を肺組織構造と仮定し、種々の濃度のアルブミン水溶液に浸したファントムを作成してMRI撮像を行った。撮像法は3次元グラディエントエコー法を用い、撮像パラメータはエコー時間(TE;time of echo)を0.9-2.0msecと短くし、繰り返し時間(TR;time of repetition)を4-10msecとし、フリップ角(FA;flip angle)を5-30°とし、受信帯域幅(RBG;receive bandwidth)は31.3kHzと62.5kHzの2種類を用いた。ファントムからの信号は従来の撮像法と比較して有意に大きな信号が得られた。呼吸停止下撮像の可能な最も優れた撮像パラメータはTR/TE/FA(RBG)はそれぞれ10msec/1、1msec/20°(62.5kHz)で、撮像時間は21sec、5mm厚スライスの元画像が24断面得られるものであった。またアルブミン溶液の5種類(0、5、10、20、30g/1)は上記の撮像パラメータいずれでも分別することが可能であったが、アルブミン水溶液に浸したファントム(海綿)ではアルブミン濃度の違いを分別することは困難であった。しかし高速スピンエコー(SSFSE;single shot fast spin echo)法(TR/TE/ETL;10sec/94msec/128)では分別が可能であった。 動物実験:SDラットを用いて生理的食塩水の過負荷とオレイン酸の静注による肺水腫モデルを作成した。またブレオマシンの血管内投与および放射線照射による肺線維症モデルを作成した。ファントム実験で得られた最も優れた撮像法で経時的に撮像を行い、それぞれの病理組織像とMR画像との対比を行った。MR画像では3次元グラディエントエコー法よりSSFSE法による画像がそれぞれの病理をより正確に描出していた。 正常者および症例による検討:正常肺および微細肺転移、肺炎、肺水腫、肺線維症の症例に上記撮像法(3次元グラディエントエコー法およびSSFSE法)を施行して、それぞれCT所見との対比を行った。解剖構造の描出ではMR画像はCT画像に劣っていたが、病変の水分量の多寡に関する情報ではMR画像が優れていたと考えられた。
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