研究課題/領域番号 |
08457251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
丹羽 真一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30110703)
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研究分担者 |
竹内 賢 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90285023)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 事象関連電位 / フェンサイクリジン / 覚醒剤 / 精神分裂病 / 行動評価 / ドーパミン / 発達障害 / P300 / ドパミン / 海馬 / 興奮性アミノ酸 / メタンフェタミン / フェンサクリジン |
研究概要 |
分裂病の認知障害の生物学的基盤を検討するために、信頼できる分裂病の動物モデルの確立と、それを用いた認知機能の研究手法の確立を目的とし、1)覚醒剤およびフェンサイクリジン(PCP)反復投与ラットにおけるP300類似電位の変化の検討、2)幼若期海馬傷害ラットの行動薬理学的検討とP300類似成分の導出の試みを行ってきた。昨年までに幼若期海馬傷害ラットでは生後56日で環境変化、覚醒剤急性投与、PCP急性投与で有意に行動量が増加することを明らかにした。また覚醒剤反復投与ラットではP300類似成分が有意に減衰することを明らかにした。本年度は1)成熟後の幼若期海馬傷害ラットにおける側坐核のドパミン(DA)およびその代謝産物の変化を、PCPの急性投与の前後で検討した。また、2)幼若期海馬傷害ラットおよびPCP反復投与ラットにおけるP300類似電位の測定を試みた。以下は結果である。 1)幼若期海馬傷害ラットでは、PCP急性投与後の側坐核におけるDA放出量の変化が、対照群に比較して有意に少なかった。Homovanillic acidおよび3,4-dephdroxyphenylacetic acid量の変化には両群間で差はなかった。 2)幼若期海馬傷害ラットでは、P300類似電位の導出に必要な課題の学習が著しく遅延し、課題の正答率は健常ラットと比較し得る水準にまで達しなかった。P300類似電位はほとんど出現しなかったが、これが幼若期の海馬傷害に伴う1次的な結果であるか、課題の学習が進まないための2次的な結果であるのかは不明であった。 3)PCP反復投与ラットでは、対象例が少ないために統計学的な検討は行い得なかったが、投与前に比較して明らかな振幅の低下が認められた。 これらの結果から、分裂病の認知傷害の生理学的基盤を検討するモデルとして、PCP反復投与モデルと覚醒剤反復投与モデルの有用性が示唆された。幼若期海馬傷害モデルの行動薬理学的特徴は分裂病のモデルとして有用と考えられたが、生理学的なモデルとしての有用性は十分に明らかに出来なかった。
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