研究課題/領域番号 |
08457264
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (40252457)
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研究分担者 |
細田 公則 京都大学, 人間環境学研究科, 助手 (40271598)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / 内皮細胞 / cGMP / ホメオボックス / ずり応力(shear stress) / アデノウイルス / トランスジェニックマウス / 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / 増殖 / ナトリウム利尿ペプチド / アデノウィルス |
研究概要 |
1.我々が明らかにした新しい内皮由来血管弛緩ペプチドであるCNPcDNAを組み込んだ非増殖性アデノウィルスを構築した。このCNPアデノウィルスを培養血管平滑筋細胞(VSMC)に感染させ、内皮細胞の10000倍に及ぶCNP産生を確認した。その結果、VSMCのG1期増殖抑制を認めた。 2.CNPによるVSMC増殖抑制の分子機構を明らかにするため、最近単離同定された心血管系特異的ホメオボックス遺伝子Gax(Growth Arrest-specific Homebox)の発現を検討したところ、血管収縮因子であり血管増殖に対し促進的に働くアンジオテンシンIIによりGax発現は著しく抑制され、一方、血管増殖抑制因子であるCNPによりその発現が亢進することを明らかにした。更に、Gax mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド投与によりGax発現を抑制すると、cGMPカスケードによるVSMCの増殖抑制作用はブロックされた。 3.血管内皮由来ペプチドであるCNP及び最近副腎より単離同定され血管でもその発現を認める血管弛緩物質であるアドレノメジュリン(AM)に関して、ずり応力(shear stress)によりその発現がup-regulationされることを明らかにした。またshear stressの低下部に動脈硬化病変が好発することが知られているが、実際ヒト冠動脈硬化病変において、内皮細胞でのCNPの発現が低下していることを明らかにした。 4.ナトリウム利尿ペプチド及び一酸化窒素NOの共通のシグナル伝達経路であるcGMPカスケードの主要なシグナル伝達物質であるとヒトcGMP依存性プロティンキナーゼ(Gキナーゼ)タイプIαをクローニングした。更に、ヒトGキナーゼIα完全長cDNAを、βアクチンプロモーター、サイトメガロウィルスエンハンサーを有する発現ベクターに組み込み、培養血管平滑筋細胞にtransfectionしたところ、cGMP添加により血管平滑筋細胞の遊走、増殖が有意に抑制された。次に、この発現ベクターを用いGキナーゼ過剰発現トランスジェニックマウスの開発を試みた。その結果、少なくとも10コピー以上のGキナーゼトランスジーンを有する2系統のF1マウスを得た。GキナーゼmRNAのNorthem blot解析及びGキナーゼ特異的kination assayを用い、このトランスジェニックマウスにおいて著明なGキナーゼ発現が心血管系において認められることを明らかにした。
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