研究課題/領域番号 |
08457273
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | ATL, / FDD, / cDNAパネル、 / PKCβII, / Receptor-like protein / HTLV-1 / ATL / multistep carcinogenesis / FDD / EST |
研究概要 |
本研究ではATLの腫瘍化機構を明らかにする目的で、ATL細胞の細胞特性の解析に加え、Fluorescence Differental Display(FDD)を用いてATL細胞で特異的に発現の亢進あるいは低下している遺伝子のExpressed Sequence Tag(EST)のパネルを作製し、これをもとに実際の発現動態、分子機能の解析、cDNAクローニング等を通じて、その腫瘍化機構に於ける役割について検討した。新鮮ATL腫瘍細胞検体及び正常人のPHA-P芽球を用いてFDDを行い、本研究期間で29コのcDNA断片をクローン化し、詳細な解析を行った。その結果、ATL細胞ではTCRからのシグナル伝達系に異常が有ること、PKCβIIの過剰発現と構成的活性化が、in vitroでTaxの作用で不死化されたTリンパ球と生体内のATL細胞を区別する特徴であることが示され、これが多段階発がん機構の1ステップである可能性が示唆された。この過程で、ATL等の白血病細胞で過剰発現する新規レセプター様遺伝子を同定した。このAU-10クローンのcDNAは全長1953塩基であり339アミノ酸からなる約35kDaのレセプター様膜蛋白質をコードする。この遺伝子は、種を超えて保存されており、ひとでは染色体12q21にマップされた。ATL細胞特性の解析から、ATL細胞に組み込まれているHTLV-1プロウイルスは、約2/3の患者で欠損型になっていることを示し、予後との相関を解析した。また、HTLV-1感染細胞で発現が誘導されるTNFR familyの分子CD30の構造機能の解析を行い、ラットのCD30cDNAの単離、細胞質内領域のみからなるCD30 variantの同定と、ATLを含む種々の白血病細胞での発現を報告した。その他:胃原発のT細胞性リンパ腫のを報告しHTLV-1感染の有無による病態の差を解析した。また、HTLV-1が眼のglia細胞へ一過性に感染し種々のサイトカイン発現を誘導することを明らかにした。
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