研究課題/領域番号 |
08457299
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富田 直秀 京都大学, 再生医化学研究所, 助教授 (50263140)
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研究分担者 |
梅村 茂 日本電信電話 (株), NTT境界領域研究所, 主任研究員
池内 健 京都大学, 再生医化学研究所, 教授 (30026223)
筏 義人 京都大学, 再生医化学研究所, 教授 (00025909)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 生体材料 / 人工臓器 / センサー / 軟骨 / テレメータ / 経皮端子 / 皮膚 / 体内ロボット / 誘導電流 / コラーゲン / 生体ロボット / グラフト重合 / 高分子材料 |
研究概要 |
生体の内外で情報、物質や力を交換しようとすると、多くの場合は患者の日常生活を大きく制限してしまう。我々は生体内情報収集ロボットのより広範な応用を目指して、経皮端子を中心とする直接伝達方式と電磁波を介して情報とエネルギーとを交換する間接伝達方式に関して基礎的な試みを行った。 前者の直接伝達方式では平滑なポリエチレン表面にコラーゲンを固定化した表面が良好な皮膚親和性を示した。しかし、材料-皮膚間の接着強度は不十分であるため12週以降には剥離が生じた。また多孔質のポリエステル製人工血管の繊維表面にコラーゲンを固定化した試料では良好な組織侵入は認めたものの、長期間の後には材料が真皮かまたは皮膚外に排出されてしまった。現在までに、様々な方法を試みたが未だ臨床応用可能な強度は得られていない。生体内外でカを伝達する材料として同じく表面グラフト重合法を用いて高分子繊維の表面に燐酸基を含む分子鎖を固定化し、ラットを用いてその結合力の高さを示した。この技術は人工四肢のみならず、人工靭帯など幅広い展開が期待される。後者の間接伝達方式では体内のセンサーより体外へ電磁波によってデータを送る方法を検討した。この場合、センサーは完全埋め込み型となるためにセンサーと送信機へのエネルギー供給方法の検討も必要であった。我々は高周波を用いて体内の充電池への充電を行う方法とマグネットスイッチを用いて必要時のみ高容量電池からエネルギーを得る方法を試みた。センサーは市販の小型ロードセルと共に腱、靭帯の張カを測定する小型センサーを試作し、ひずみ情報の体外測定を試みた。現在は生体内に長期に埋入するためのシールド及び電池の外部補充装置を制作中である。 上記のように実用化を目指して様々な試みを行ったが、残念ながら生体内ロボット開発のキーポイントである経皮端子とエネルギー伝達システムは98年度内には実用の域に達しなかった。関連する、軟組織結合性表面処理技術、骨結合性表面処理技術、低摩擦体内移動原理の確立等はそれぞれ創外固定ピン、人工頭髪、人工靭帯、等に応用された。 以上の実験にあたって、動物愛護には十分に配慮した。
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