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人工赤血球(ネオレッドセル)の臨床応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08457308
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 外科学一般
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

薄場 彰  福島県立医大, 医学部, 講師 (00145608)

研究期間 (年度) 1996 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードリポリームカプセル化ヘモグロビン / ネオレッドセル / 出血性ショック / 循環動態 / 酸素動態 / 組織反応 / Liposome encapsulated hemoglobin / 粘度 / 酸素運搬効率 / 酸素消費量
研究概要

ネオレッドセル(NRC)は赤血球の1/3の低粘度と約2倍の酸素運搬能を有する。さらにNRCは赤血球と異なり細胞膜を持たない。従ってショック時に赤血球膜より発生する各種mediator等の有害物質の発生すなわち組織反応の軽減が予想される。本年度は出血性ショックに対するNRCの効果を循環動態、酸素動態、および組織反応より検討した。
まずビ-グル犬を用い静脈より脱血してショック状態とし、NRCを輸注してショックより回復させ、これを繰り返す出血性ショックモデルを作製し、循環動態を検討し、NRCの代わりに脱血した自己血を輸血する自己血輸血群と比較した。NRCの輸注により血管抵抗が減少し、心拍出量が増加した。しかし自己血輸血群では血管抵抗が増加し、心拍出量が減少した。これはNRCの粘度が赤血球より極めて低い事による循環動態への効果と思われた。そこでさらに脱血後一定時間治療せずに放置するより厳しい条件のショックモデルを作製し酸素動態を検討した。今度はNRCの投与でも血管抵抗が増加し、心拍出量が減少した。しかし、それでもNRCは必要十分量の酸素を組織へ供給していた。これは、NRCの酸素運搬能が赤血球より著明に大きい事による酸素動態への効果と思われた。次にWister系雄性ラットを用い同様の出血モデルを作製し、血中の炎症性サイトカインであるTNFα,IL1β,IL6、IL8を測定した。NRCの代わりに自己血を返血した自己血輸血群では血中サイトカインレベルが著明に上昇したが。NRCを投与したラットでは上昇しなかった。すなわち、NRCが細胞膜をもたない事による組織反応での効果と思われた。以上より出血性ショックに対しNRCを輸注する事は循環動態、酸素動態、組織反応の何れにおいても赤血球を輸血するより優れていた。

報告書

(2件)
  • 1997 実績報告書
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 薄場 彰: "人工赤血球の開発と臨床" 日臨床会誌. 17・10. 549-560 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰: "赤血球の人工代替物" 低温医学. 23-3. 173-184 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Usuba: "Liposome Encapsulated Hemoglobin as a Resuscitation Fluid for Hemmhogic shock" Artificial Organs. 22-2. 116-122 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰: "人工血液" JJPEN. 20・2. 153-159 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰: "人工血液の最近の進歩とcritical careにおける適応" 救急医学. 22・2. 205-212 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰,ほか: "人工血液の開発と展望" 日本外傷学会雑誌. 10・1. 4-12 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰,ほか: "人工血液の開発状況" Clinical Engineering. 17・9. 815-820 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰,ほか: "重篤な出血性ショックに対するリポソームカプセル化ヘモグロビン"ネオレッドセル"の効果" 人工血液. 4・3. 69-75 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 薄場 彰,ほか: "出血性ショックに対するリポソームカプセル化ヘモグロビンの効果" 人工臓器. 26・1. 267-272 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Usuba: "SHOCK-From molecular and Cellular Level to Whole Body" Elsevier(K Okuda,H Ogata,ets), 398 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] A Usuba: "XXX World Congress of the International College of Surgeons" Monduzzi Editore(O Abe,K Inokucchi,K Takasaki,ets), 865 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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