研究課題/領域番号 |
08457319
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野浪 敏明 名古屋大学, 医学部, 講師 (80189422)
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研究分担者 |
下村 吉治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30162738)
黒川 剛 名古屋大学, 医学部, 助手 (50291406)
中尾 昭公 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70167542)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
谷口 健次 名古屋大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | ヒト肝臓 / 肝硬変 / 肝炎 / ミトコンドリアDNA / ミトコンドリアRNA / NRF-1 / mtTFA / 欠失ミトコンドリアDNA / 肝癌 / ミトコンドリアmRNA / NFR-1 |
研究概要 |
【目的】ヒト肝臓におけるmDNAの複製と転写調節に及ぼす肝硬変の影響と、mtDNAの変異と肝硬変の関係について検討した。【方法】nuclear respiratory factor 1(NRF-1)とmitochondrial transcription factor A(mtTFA)のmRNAの定量は、RT-PCRを用いた。RNase for mitochondrial RNA processing(MRP)のRNA成分とミトコンドリア遺伝子の転写産物であるcytochrome b mRNAの定量はNorthern blotを用いた。mtDNAの定量はSouthern blotを用いた。欠失mtDNAの検出は、Southern blotとPCR法を用いた。【結果】NRF-1とmtTFAのmRNAの発現量とcytochrome b mRNAの発現量とは慢性肝炎肝において正常肝のそれぞれ1.6倍(p<0.05)、2.8倍(p<0.01)、1.8倍(p<0.01)に増大。硬変肝においては正常肝と同レベル。MRPのRNA成分の発現量とミトコンドリアDNAの濃度は三群間で差を認めなかった。Southern blotでは、欠失mtDNAは検出できなかった。PCR法では、4,977bpの欠失をもったmtDNAと7,436bpの欠失をもったmtDNAが検出された。そして、それらの正常mtDNAに対する比率は、正常肝に比べ硬変肝と肝細胞癌で有意に(p<0.01)減少していた。【結論】肝炎の進行に伴いミトコンドリア遺伝子の発現が増大し、さらに病態が進み肝硬変に至るとその発現が正常レベルに戻る可能性が示唆された。また、肝細胞には欠失を有するmtDNAが存在するが、それらは慢性肝炎から肝硬変、肝細胞癌と病態が進むにつれて消失することが示された。
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