研究課題/領域番号 |
08457321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 正之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30158307)
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研究分担者 |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
尾崎 信弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (50211818)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 肝臓外科 / 肝エネルギー代謝 / 近赤外光スペクトロスコピー / 遺伝子導入 / 肝組織内SO2 / ICAM-1 / アデノウイルスベクター / ミオグロビン / 術後肝不全 / エンドトキシン肝障害 / クレアチンキナーゼ |
研究概要 |
本研究においては、肝臓外科における術後肝機能低下または肝不全に至る病態の解明を目的として、肝虚血における肝微小循環及び代謝に焦点をおき、動物実験並びに臨床例において検討した. 肝代謝:クレアチンキナーゼを肝特異的に発現させたトランスジェニックマウスを用いた70%肝切除及びエンドトキシン投与モデルにおいて、クレアチンを摂取したマウスでは正常食摂取マウスに比べて、これらの侵襲からの回復が良好であることを見出したが、この事実は、侵襲の際に肝におけるATPの供給が極めて重要であることを反映している.この事に立脚して、酸素貯蔵筋タンパクであるミオグロビンに着目し、ミオグロビン遺伝子をアデノウィルスベクターを用いてラット培養肝細胞に導入することに成功し、これらの細胞においてATP量が有意に高くなることを証明した.現在更に、ラット肝虚血再灌流モデルでミオグロビン遺伝子導入の効果を検討中である. 肝微小循環:生体肝移植におけるグラフト肝のviabilityを、近赤外光スペクトロスコピーを用いて肝組織の酸素化状態及び微小循環を測定することにより検討した結果、保存液としては、HTK液がUW液よりも再灌流後の肝組織の酸素飽和度及び微小循環において優れていることが判明した.更に、家兎肝温阻血モデルにおいて、近赤外光スペクトロスコピーによりICGの肝におけるクリアランスを測定し、プロスタグランジンE1がICGクリアランス、即ちanion transportを改善することを証明した. これらの結果より、肝臓外科における術後肝不全発症の機構に、肝エネルギー代謝が大きく関与しており、クレアチニンキナーゼやミオグロビン等の遺伝子導入によりエネルギー状態を改善することにより肝不全発症が回避できる可能性が示唆された.
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