研究課題/領域番号 |
08457326
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70190999)
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研究分担者 |
大塚 誠 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60203840)
吉河 康二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (80124816)
山縣 基維 (山懸 基維) 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90294975)
原口 勝 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (40228531)
三森 功士 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
楠本 宏記 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (00195447)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1997年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 消化器癌 / 乳癌 / 遺伝子診断 / 微量癌細胞 / 分子生物学 / RT-PCR / 再発 / 予後 |
研究概要 |
1.標的遺伝子の検索:carcino embryonic antigen(CEA)、estrogen receptor(ER)、MAGEの3種類の遺伝子について、正常組織・癌組織でのmRNAレベルの発現をRT-PCR法を用いて調べた。その結果、CEAは検索した150症例の正常上皮組織および癌細胞のすべてで発現が認められた。ERは癌細胞および正常上皮組織の約1/3に発現が認められた。MAGEは正常上皮組織では全く発現がなく、癌組織では10〜60%の症例で発現を認めた。以上より遺伝子としてまずCEAを用い、次いで陽性例についてMAGEを用いる方法が最適と結論した。 2.リンパ節における微量癌細胞の検出:102例の手術症例より606個のリンパ節を摘出し半分を組織細胞(HD)、残り半分をRT-PCR法による遺伝子診断(GD)に用いた。各症例を(HD/GD)の組み合わせでみると(+/+)37例、(-/+)47例、(-/-)18例で(+/-)はなかった。再発率は(-/-)では0%、(+/+)では35%あったが(-/+)でも8%であり注目された。以上よりRT-PCR法による遺伝子診断では、組織診断で発現できない転移を検出できることが示された。 3.末梢血中の微量癌細胞の検出;104例の癌患者の末梢血2mlをRT-PCR法で調べた。その結果、CEAmRNAの発現は対照健常者0%、治愈切除例19%、非切癒切除例56%、再発率70%であった。治癒切除例62例中CEA陰性の50例は全く再発していないが、陽性12例では3例が再発した。以上よりわずかの量の末梢血液より癌細胞の血中流入が判断でき、これが再発予測に活用できることが示された。 4.化学療法の効果判定の応用:食道癌、胃癌患者の化学療法前後で血中のCEA遺伝子検出を行った。CR1例では術前CEA(+)がCEA(-)に変化した。これはpreliminaryであるが今後応用が期待できる分野である。 以上、現時点でCEAを標的としたRT-PCR法はリンパ節や末梢血液中のわずかな癌細胞を検出できること、臨床的にもその応用が重要となり得ることが明らかとなった。
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