配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
肝癌においてp21発現の誘導にはp53非依存性の経路も存在していると思われた。非癌部肝組織では、p21とPCNA LIは有意に相関していたことより、細胞回転の亢進がp21を誘導する要因であると考えられた。肝癌においてもp21陽性例でPCNA LIが高値であったことから、肝癌においてp21発現の誘導するものとしては、細胞増殖の亢進が考えられた。また,p21,p53,PCNA LIを検討することは、肝癌の再発を予測するうえで有用であると思われた。また,肝癌はFas発現を減弱させることによりFasL陽性の浸潤リンパ球より逃れ,肝内転移するものと思われた.したがって,肝癌では免疫機構からの回避が転移に関与するものと考えられる.血中sFasは,肝硬変患者ですでに上昇しており,浸潤リンパ球が発現しているFasLに対して“decoy"として作用し,肝障害進行の防止に働いている一方,肝癌が発生しやすい環境にも関わっている可能性が考えられた.Transmembrane 4 surperfamilyが他の癌と同様に,膵癌においても癌の進展や転移に関与するかを検討したところ,MRP-1はリンパ節転移,staging,gradingと相関しており,KAI-1はT因子と相関していた.また,MRP-1,KAI-1ともに有意な予後因子であった.また,膵癌において血管新生の役割について検討した.PD-ECGFはT因子,staging,gradingと相関しており,VEGFはgradingと相関していた.また,microvessel density(MVD)はT因子,gradingと相関していた.これらの因子はすべて予後因子であり,hypovaucularと考えられる膵癌においても血管新生が癌の進展に重要であることが判明した.
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