配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
易感染性症例に併発する深在性真薗症に対する治療法の確立は重要な課題となっている.Amphotericin B(AMPH)は最も強力で幅広い抗真菌活性を有しており,代表的な抗真菌薬の一つであるが,副作用により投与量が制限され,十分に臨床効果を発揮できていないのが現状である.そこで,AMPHの薬物担体として脂肪乳剤を用いた新しいAMPH封入りピッドマイクロスフェアー(AMPH-LM)を開発し,製剤学的検討を行うとともに,その有用性について検討した. その結果,AMPH-LMは微細で安定であり,AMPHは余剰のリン脂質と複合体を形成して乳剤粒子の界面に存在していると考えられた.また,AMPH-LMは赤血球の溶血率やマウスにおける単回投与後の急性毒性においても優れた副作用軽減効果を有し,Candida albicansの敗血症モデルおよび今回新たに考案した腹腔内局所感染モデルにおいて優れた治療効果を示した. 近年,深在性真菌症を早期に診断するために,種々の真菌に対するPCR法が開発されてきたが,今回,Candida属の18s遺伝子配列の中でV4領域に特異的なプライマーを用いることで,Candida属に特異なPCR分折が可能となった.さらに,菌種の同定法として,resection fragment lenght polymorphisms法を応用することで,PCR産物から臨床上重要なCandidaを同定することができた.また,Candidaの定量測定を目的に,新たなhererogenous DNA comletitor(comp V4)を作製してcompetitive PCRを可能にし,fg単位のCandida-DNA量を定量測定できることが明らかとなった.本PCR法を用いてfungal translocationを検討した結果,開腹手術を行った19例のうち6例が,手術終了時の末梢静脈血でPCR陽性となった.また,術中採取した門脈血からPCR陽性となったことから,門脈血を介する経路の存在が示唆された.
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