研究課題/領域番号 |
08457362
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有田 憲生 大阪大学, 医学部, 講師 (80159508)
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研究分担者 |
森 憲作 理化学研究所, フロンティア研究システム・ニューロン機能研究グループ, ディレクター (60008563)
泉本 修一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大西 丘倫 大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | L1 / optic nerve / nerve regeneration / nerve injury / cell adhesion molecule / visual evoked potential / nerve degeneration / 神経細胞接着分子 / 中枢神経損傷 / 神経再生 / 細胞療法 / 視神経 / neural cell adhesion molecule / neural regeneration |
研究概要 |
[目的]損傷された哺乳類中枢神経の再生は、グリア細胞など種々の阻害要因のため困難とされる。本研究では、神経細胞接着因子L1の神経軸索進展作用に注目し、ラット視神経損傷モデルにおいてL1遺伝子導入細胞による細胞療法を行い、中枢神経再生効果を検討した。[方法]6週齢SD系ラットの左眼窩近傍前頭部を開窓、前頭葉を一部切除圧排し、左視神経の固有硬膜貫通部を縦切開後、視神経を横切断した。損傷部位にマトリジェル包埋L1遺伝子導入線維芽細胞(L1(+)群)あるいは非導入細胞(L1(-)群)を移植した。また切断後週3回500μg/bodyのvitaminB12腹腔内投与を6週間行った。視神経切断3週以後に、OC1(bregmaより後方へ8mm、外側へ3mm)上に硬膜外電極を置き、視覚誘発電位(VEP)を測定した。また左眼球にトレーサーとしてWGA-HRPを投与し、2日後に屠殺、視神経の縦断切片をTMBにより染色し、暗視野で視神経線維を観察した。[結果]L1(-)群では、対側VEPはほぼ平坦な波形を示した。またHRPは、網膜側視神経にわずかに染色されるのみであった。L1(+)群では視神経切断8週目以後に、対照群(前頭葉一部切除のみ)より頂点潜時が少し遅れるが、弱いVEP波形が出現することが観察できた。vitaminB12投与群では、非投与群に比し波形の振幅には相違を認めなかったが、N1頂点潜時が短縮する傾向がみられた。HRPは、切断癒合面より中枢側にも染色されることが確認できた。染色強度および染色陽性線維数は、切断面を越えると低下した。vitaminB12については、投与群、非投与群間に染色性の差は認めなかった。[結論]ラット視神経は末梢神経の介在しない条件下でも、L1発現細胞が存在すれば再生能力を示すことが明らかとなった。
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