研究課題/領域番号 |
08457389
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学部, 助教授 (70170115)
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研究分担者 |
河村 庄造 神戸大学, 工学部, 助教授 (00204777)
野田 光昭 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (30291454)
村津 裕嗣 神戸大学, 医学部, 助手 (30273783)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 膝関節 / 人工関節 / 有限要素法 / 衝撃荷重 |
研究概要 |
人工膝関節置換術後の大きな問題であるlooseningの発生については、正常な骨、軟骨を剛性の高い人工関節で置換することで、関節の衝撃吸収能が低下し、骨と人工関節の界面に異常な力が集中することが一因と考えられる。そこで衝撃吸収能にすぐれ、耐久性の高い人工関節を開発する目的で、以下の研究を行なった。まずTKA後の膝関節に歩行などの衝撃力が負荷された場合、その衝撃力がどのように伝達されるかを検討するために、故人及び遺族の同意のもと実験に供せられた新鮮屍体膝を用い、正常膝と人工関節置換膝の落錘衝撃試験を行い、人工関節置換膝では正常膝に比べ、有意に衝撃波の伝達が大きいことを解明した。次に3次元軸対称膝関節モデルを用い、動的有限要素法により行なった落錘衝撃試験を模した衝撃荷重の伝達様式の解析では、人工関節置換膝モデルでは衝撃波は伝播の早期から脛骨コンポーネントのcentral stemに伝播する一方で、脛骨側の海綿骨への伝播は少なかった。応力分布でも荷重部直下の海綿骨では正常膝の約50%の圧縮応力にとどまり、衝撃緩和能を有するとされている海綿骨部でのstress shieldingが生じる一方で、皮質骨部では正常膝の245%もの過剰な応力集中がみられた。このように正常膝と人工関節置換膝では衝撃荷重負荷後の応力分布と衝撃波の伝達様式について明らかな相違が認められた。さらにlooseningがよく発生する脛骨コンポーネントの界面の応力分布やmicromotionを衝撃荷重下の動的有限要素法を用いて解析した。その結果、梁状のkeelを有するタイプの脛骨コンポーネントは応力を分散させ、最大応力値を低減し、また界面の変位を抑え、さらに長いステムを有するタイプのものはmicromotionを抑制することが判明した。今後これらの結果をふまえて、耐久性にすぐれる人工膝関節を開発する予定である。
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