研究課題/領域番号 |
08457396
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
油谷 安孝 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (90200873)
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研究分担者 |
岩本 容泰 大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 副甲状腺ホルモン関節ペプチド / 軟骨組織 / 軟骨細胞 / 慢性関節リウマチ / 変形性関節症 / 副甲状腺ホルモン関連ペプチド / 慢性関節リュウマチ |
研究概要 |
1)臨床材料におけるPTHrPの免疫組織学的検索 手術時に得られた軟骨組織の無固定凍結切片を用いて、PTHrPに対するモノクローナル抗体を用いての免疫染色を行った。慢性関節リウマチ(RA)及び変形性関節症(OA)患者より得られた軟骨には高率にPTHrPの局在を認めたが、先天性疾患から採取した軟骨組織(非炎症性)には局在を全く認めなかった。他のグループの研究より、OA及びRA患者の関節液中には高濃度のPTHrPが存在することが昨年報告され、今後はこのPTHrPの産生細胞を同定することが重要となるであろう。 2)PTHrPの軟骨細胞に対する作用 4週齢ウサギ肋軟骨及び膝関節より、それぞれ成長軟骨板細胞と関節軟骨細胞を分離し、単層培養系において、PTHrPがどの様な作用を示すかを検討した。当初、通常の培養方法で実験を行ったが、その後、無血清軟骨細胞培養系を開発し、PTHrPが生後の関節軟骨細胞に対して増殖促進活性を示すことを世界で初めて示した。無血清培養系は、卵黄リポ蛋白・インスリン・繊維芽細胞増殖因子・ハイドロコーチゾーン・トランスフェリンを含むもので、血清を含まないために再現性に優れる。PTHrPはプロテオグリカン合成に関しては、成長板軟骨細胞・関節軟骨細胞いずれに対しても促進的に作用したが、その効果は成長板軟骨細胞でより著明であった。 3)結論及び今後の研究方向 以上、従来、生後の軟骨細胞に対しては増殖促進活性を示さないと考えられてきたPTHrPが関節軟骨細胞に対しては生後でも増殖促進活性を示すことが明らかとなった。また、OAやRA患者の関節軟骨にPTHrPの局在を認めたことから、病態代謝に対しても何らかの役割を果たしているものと考えられる。しかし、このPTHrPの出現が病態の進行に対して抑制的に働くのか、あるいは促進的作用を有しているのかは不明であり、この点が今後の問題点と考えられる。
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