研究課題/領域番号 |
08457397
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
尾郷 賢 杏林大学, 医学部, 教授 (30095533)
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研究分担者 |
須網 博夫 杏林大学, 医学部, 助手 (00255499)
湯浅 有 杏林大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 爪床 / 爪床再生 / 爪母 / 爪甲再生 / サル / 爪床欠損 / 日本サル / 人工真皮 / 爪床損傷 |
研究概要 |
1. 爪甲の再生には確立された理論があるが、爪床の再生、前進については不明な点や意見の不一致が多い。研究代表者は1983年、仮説「爪床上皮は爪母から再生し、遠位方向に移動する。爪床上皮細胞は移動して爪床遠位端に達して下爪皮となり、最後は前方限界溝の中に脱落する」を発表した。 2. 人間の爪および爪周囲組織と近似する日本サルを用いて、爪床切除後の爪床再生の様子を光学顕微鏡的に観察した。 3. 爪床遠位2/3切除後、欠損部を全層植皮、分層植皮、人工真皮で修復した実験では、ほぼ一律に爪床の再生・前進を見た。約4週間で遠位端に達した植皮片などは、指尖部の動かない皮膚に突き当たって行き場を失い、背面に突出し脱落した。分層植皮と人工真皮で修復した例では、再生爪甲に不整が多く見られた。 爪床真皮が爪床上皮をリードするように、先にたって再生する様子が見られた。 4. 爪床・爪母境界線を含めて爪床を全切除して全層植皮で修復した。同様に爪床が再生・前進した。約8週間で遠位端に達した植皮片は同様に背面に突出し脱落した。 5. 腹部より採取した青色母斑の小片を爪母内達位部に移植・埋入してその行方を追及した。母斑片は再生爪床真皮の中にまぎれて判別困難となったが、フォンタナ・マッソン染色により、約10週間で再生爪床真皮の遠位端に達する道筋に多数の母斑細胞を認めた。それらの母斑細胞は、明らかに上皮基底層のメラニン細胞とは異なる染色性を示した。 6. 上記から、爪床再生の母体は、爪母以外にあり得ないことが確認された。 7. 仮説はすべて実証され、「定説」と呼ばれるべきと思われる。
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