研究課題/領域番号 |
08457439
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
小林 隆夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20107808)
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研究分担者 |
徳永 直樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20283369)
杉村 基 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30273189)
西口 富三 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30198452)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70204550)
寺尾 俊彦 浜松医科大学, 副学長 (60022852)
住本 和博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / 妊娠血管攣縮症候群 / MR angiography / 血液凝固異常 / 内因性トロンビン / 交感神経 / 持続硬膜外麻酔 / Angiospastic syndrome / 腹部交感神経節 / 左腎静脈 / カテコラミン / トロンビン / ATIII(アンチトロビンIII) / 重症妊娠中毒症 / 子癇 / HELLP症候群 / 血管攣縮 / Shear stress / カテコールアミン |
研究概要 |
1) 前年度に引き続き症例を重ねて解析し、MRA検査により血管攣縮をより明確にした.その結果、妊娠中毒症の血管攣縮の病態を“妊娠血管攣縮症候群"、“Angiospastic syndrome of pregnancy"と呼ぶことを提唱した.すなわち、妊娠中毒症の病態形成において血管攣縮は極めて重要な役割を果たしているものと考えられる. 2) 妊娠中毒症症例において血液凝固線溶の異常を検索した.その結果,妊娠中毒症患者では、ATIII活性の低下、TATの増加,PICの増加、D-Dimerの増加、血小板数の減少(とくに妊娠初期と妊娘中毒症重症時の差異=Δ血小板)などに特徴があった.重症妊娠中毒症ても経膣分娩成功例と帝王切開施行例では、帝王切開群において有意にこれらのマーカーの異常変動がみられた. 3) 妊娠したマウス、ラットおよびウサギを用いた動物実験モデルでは、持続的な足の裏への冷刺激により妊娠中毒症様症状を呈し、血液凝固異常、さらには後胎盤血腫を誘発することが出来た.これは冷刺激による交感神経の活性化が誘因と考えられる. 4) 内因性トロンビン生成の増加を新しい方法(endogenous thrombin potential assay)を用いて検討した。その結果、内因性トロンビンは妊娠経過と共に増加すること、また妊娠中毒症でも増加することが判明した。 5) リン脂質の一種であるフォスファチジルセリンを妊娠マウスに投与すると、血小板膜の活性化が起こり、凝固亢進の結果マウス胎仔の子宮内発育遅延を来すことが判明した.このモデルにリン脂質結合凝固抑制物質であるアネキシンVを投与すると、凝固亢進抑制の結果マウス胎仔の発育は正常になること見出した. 6) 重症妊娠中毒症に対する持続硬膜外麻酔療法の有用性を明らかにした.重症妊娠中毒症症例に対し硬膜外カテーテルを留置し、ブビパカインの持続注入を施行したところ血圧低下など臨床症状や血液凝固所見の改善がみられ、妊娠期間を延長することができた.これは交感神経活性化を局麻剤が抑制し、病態を改善したものと考えられる.
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