研究課題/領域番号 |
08457442
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
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研究分担者 |
原田 省 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (40218649)
皆川 幸久 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (70190692)
紀川 純三 (起川 純三) 鳥取大学, 医学部, 講師 (00177784)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / 血管新生因子 / 腫瘍壊死因子α(TNFα) / インターロイキン-8(IL-8) / 間質細胞 / 微小血管数 / 癌増殖 / パラクリン作用 / 子宮内膜 / 子宮内膜症 / 細胞増殖 / IL-8 / TNFα |
研究概要 |
子宮内膜症を対象とした臨床研究において、内膜症患者腹水中のtumor necrosis factor α (TNFα)濃度は増加しており、腹水中のTNFα濃度とinterleukin-8(IL-8)濃度との間には有意な相関が存在することを見いだした。子宮内膜癌の血管新生因子同定を目的とする本研究においては、正常子宮内膜、子宮内膜症および内膜癌組織を対象に、それぞれの間質細胞を分離・培養し、血管新生因子であるTNFαとIL-8の作用を検討した。TNFα(0-100pg/ml)の添加は、子宮内膜と内膜症間質細胞培養上清中のIL-8産生を濃度依存性に促進した。MTT assayにおいて、TNFαは内膜症間質細胞の増殖を有意に促したが、その増殖促進効果は抗IL-8抗体の併用添加で減弱した。IL-8(200pg/ml)の添加は、子宮内膜癌間質細胞の増殖能を130%に増加させた。PT-PCRとSouthern blot法により、それぞれの間質細胞においてTNFα受容体IIとIL-8受容体typeAの遺伝子発現が観察された。 摘出子宮内膜癌を対象として、第VIII因子および抗IL-8抗体を用いた免疫組織化学染色を行い、第VIII因子染色陽性の微小血管数とIL-8染色陽性の血管数を算出した。微小血管数は、中分化型癌(G2)と未分化癌(G3)では高分化型癌に比して有意に多かった。IL-8陽性血管数は、G3ではG1とG2に比して有意に多かった。このことから、内膜癌の悪性度と微小血管ならびにIL-8陽性血管数との相関が明らかとなった。以上の成績より、TNFαは子宮内膜癌の間質と血管内皮にパラクリン様式で作用してIL-8の産生・分泌を促し、IL-8は内膜癌の血管新生因子として癌増殖に関与する可能性が示された。
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