研究課題/領域番号 |
08457445
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
桑原 惣隆 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40064505)
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研究分担者 |
吉田 勝彦 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30220635)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1996年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | HGF / 子宮内膜 / 絨毛細胞 / 流産 / In site hybridization / 子宮内膜基底層 |
研究概要 |
肝由来のHGFbeta-subunitを純化精製した子宮内膜間質細胞培養系に作用させ、HGF産生を刺激し、この時の全RNA量を測定し、HGF刺激による反応に対する子宮内膜間質細胞のHGF産生がいつ行なわれるかを検討した。子宮内膜間質細胞からのHGF分泌の検討から、種々の月経周期での子宮内膜由来のHGFの発現を検討し(Northen blotやPCR法による)子宮内膜でのHGFの分泌の意義を検討した。この結果、HGFは妊娠初期、胎盤形成期、子宮腔の拡張、分娩前の4期に大量に出現し、いずれの時期でも、子宮内膜の再編成に関与しているものと考えられた。妊娠初期や胎盤形成期には子宮内膜と絨毛細胞との相互作用にHGFは不可欠であり(内膜層への純毛細胞の湿潤と再生)、子宮腔の拡張期や分娩前期には子宮内膜自身の再構成が子宮腔全体に発現しており、その過程でHGFは子宮内膜間質細胞の増殖、子宮内膜上皮細胞の修復に関与していることが示唆された。 流産過程でのHGF産生の検討を行ない、脱落膜細胞由来のHGFとの役割を比較検討した。流産過程での子宮内膜間質細胞からのHGF産生は有意に上昇し、流産の進行度に応じて分泌量が増加した。一方、脱落膜細胞由来のHGF産生は逆に減少する傾向があった。 子宮内膜で主にHGFを産生する子宮内膜間質細胞をin situ hybridizationで確認し、子宮内膜間質細胞層内での局在を検討し、子宮内膜基底層の存在をHGFの分布から明確にした。HGFは子宮内膜基底層の特に上層の細胞に局在し、基底層下部の細胞には局在がきわめて少ない傾向があった。子宮内膜基底層の上層細胞のHGF産生が周期的な変化を示し、月経後の子宮内膜の再生に関与していることが明らかになった。これらの成果はHGFが子宮内膜の初期の再生のメカニズムに多くの作用を行なっていることを示唆し、性ステロイドホルモン以外の増殖因子の関与が子宮内膜で明確となった。
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