研究課題/領域番号 |
08457479
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗栖 浩二郎 大阪大学, 歯学部, 教授 (50028346)
|
研究分担者 |
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
加藤 穣慈 大阪大学, 歯学部, 助手 (90243245)
岩本 容泰 大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
脇坂 聡 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
IWAMOTO Tomomi Osaka University, Faculty of Dentistry, Instructor (80203644)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
|
キーワード | 歯胚 / PTHrP / 器官培養 / マウス / 形態形成 / 発生 / 組織分化 / アンチセンスオリゴDNA |
研究概要 |
PTHrPは種々の胎性組織で発現しているが、その組織発生における役割については不明は点が多い。本研究は、歯の発生におけるPTHrPの発現とその役割を解析することを目的としており、まずラット臼歯歯胚におけるPTHrPとその受容体の遺伝子発現を検索した。その結果、PTHrP遺伝子の発現は主に上皮性のエナメル器の細胞に、その受容体の遺伝子は主に間葉性の歯乳頭細胞や歯胚周囲の骨芽細胞に、それぞ時間および空間特異的な発現パターンを示し、PTHrPが歯の形成に深く関与していることが示唆された。次に、PTHrPの役割を明らかにするため、培養マウス歯胚を用いて以下の実験を行った。胎齢14日のマウス胎仔より蕾状期の歯胚を摘出し、Trowellの系で無血清BGJb倍地を用いて培養した。実験群の倍地には、PTHrPのmRNAに対するアンチセンスオリゴDNA20μMを添加し、2日目毎に倍地と共に交換した。その結果、培養5〜6日目より歯乳頭への周囲の骨組織の侵入が始まり、培養10〜17日目ではエナメル器にも骨組織が侵入して歯胚が二分され、さらに培養を続けると歯胚は完全に破壊された。しかし、オリゴ無添加、センスオリゴ添加、アンチセンスオリゴ+組替えPTHrP添加の対照群ではいずれも正常な歯胚が形成された。また、PTHrP受容体のmRNAに対するアンチセンスオリゴ添加群では、PTHrPのアンチセンスオリゴ添加群と同様に、歯乳頭への骨組織の侵入が観察された。各群におけるこれらの所見には高い再現性が認められた。以上の結果から、PTHrPは周囲の骨組織の侵入から歯胚を防御する機構に関与しているものと考えられる。つぎに、アンチセンスオリゴ添加群における骨組織の歯胚への侵入の機構を解明するため、破骨細胞の酒石酸耐性酸フォスファターゼ(TRAP)活性に対するアンチセンスオリゴの影響を調べた。その結果、アンチセンスオリゴ添加群では、対照群に比べてTRAP活性が制御されていることが分かった。従って、アンチセンスオリゴ処理によって、破骨細胞の活性が抑制される為、歯胚への周囲から骨組織の侵入が容易になるものと考えられる。
|