研究課題/領域番号 |
08457502
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60115889)
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研究分担者 |
護邦 忠弘 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (60098027)
梅原 久範 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70247881)
今井 久夫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80067024)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 歯周病 / NK細胞活性化 / T細胞活性化 / チロシンリン酸化 / CD2 / CD3 / Syk / PI3キナーゼ / NK細胞 / p125^<FAK> / アダプター蛋白Shc |
研究概要 |
歯周病は病原性細菌による慢性炎症性疾患であり、病巣局所に浸潤した免疫担当細胞が歯周組織との間で相互作用を起こし、歯槽骨の破壊を行う特徴的な病態を形成したものと考えられる。我々は、細胞間接着や細胞活性化に補助刺激を伝達するCD2分子によるNK細胞およびT細胞活性化シグナルについて検討した。1.NK細胞におけるCD2架橋刺激によるp72syk tyrosine kinase および PI3-kinaseの活性化と顆粒放出能の増強:(1)CD2分子架橋刺激によりCD2抗体濃度依存性に細胞内顆粒放出の増強を認めた。また、チロシンキナーゼ阻害剤であるHerbimycinとPI3キナーゼ阻害剤であるWortmanninは、この効果を完全に抑制した。(2)CD2架橋刺激による、NK細胞内蛋白の数種のチロシンリン酸化蛋白が出現した。さらに、免疫沈降Sykのチロシンリン酸化とin vitro kinase assayによる検討により、CD2およびCD16架橋刺激によりSykの活性化が起こっていることを確認した。(3)CD2架橋刺激により、チロシンリン酸化蛋白に結合したPI3-キナーゼ活性が増強していた。さらにこの免疫沈降物のPI3-キナーゼ活性も増強していた。(4)細胞内アダプター蛋白Shcのチロシンリン酸化とPI3-キナーゼとの結合は、CD2およびCD16架橋刺激により著明に増強していた。2.T細胞活性化におけるCD2costimulationによるSyk.tyrosine kinaseの活性化とアダプター蛋白Shc,Cblのチロシンリン酸化の増強:(1)CD3とCD2の同時架橋により、Sykのチロシンリン酸化とキナーゼ活性化が著明に増強した。(2)CD3とCD2同時架橋により、細胞内アダプター蛋白Shc,Cblのチロシンリン酸化が著明に増強した。(3)CD3とCD2同時架橋によりIL-2産生能と細胞増殖が著明に増強した。以上の結果より、CD2分子はチロシンキナーゼSykとPI3-キナーゼを介してNK細胞を活性化し、T細胞においてはCD3との協調作用により細胞活性化および増強増強を引き起こすことが明らかとなった。慢性炎症においては、CD2などの補助分子が細胞の活性化に重要であると考えられる。
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