研究分担者 |
鷲尾 憲文 岡山大学, 歯学部, 助手 (40263602)
明貝 文夫 岡山大学, 歯学部, 助手 (50263588)
高橋 慶壮 岡山大学, 歯学部, 助手 (70243475)
西村 英紀 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (80208222)
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
滝川 雅之 岡山大学, 歯学部, 助手 (60243474)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
トランスフォーミング成長因子(TGF-β)は種々の細胞における増殖,細胞外基質合成あるいは硬組織の代謝などに関わる因子として歯周組織再生における役割が注目されている。本研究は歯周組織再生におけるTGF-βの役割を明らかにすることを目的とし,TGF-βの歯根膜線維芽細胞機能に及ぼす作用ならびに歯根膜線維芽細胞が発現するTGF-βおよびそれらのレセプターの動態を調べた。 その結果,1.TGF-βは培養ヒト歯根膜線維芽細胞のDNA合成,コラーゲン合成,非コラーゲン蛋白合成,および硬組織形成能の指標であるアルカリフォスファターゼ活性すべてを促進した。2.培養ヒト歯根膜線維芽細胞はTGF-β1とそのレセプター(typeI,II,III)を遺伝子レベルで発現した。3.歯根膜の生理的な環境下での咬合圧を考慮し,培養ヒト歯根膜線維芽細胞に機械的外力(緊張・弛緩力を規則的に一定時間)をかけることによって模倣し,TGF-βとそのレセプター(typeI,II,III)発現に対する機械的刺激の影響を調べたところTGF-β1 mRNAとそのレセプター(typeI,II)mRNAの発現はともに抑制された。In vitroにおいてもラット歯周組織におけるTGF-β mRNAの発現をin situハイブリダイゼーションで調べたところ,歯肉線維芽細胞ではなく歯根膜細胞において顕著に発現していることがわかった。 これらの結果よりTGF-βはヒト歯根膜線維芽細胞の細胞増殖,細胞外基質合成ならびに硬組織の代謝といった細胞機能を促進することによって歯周組織再生に重要な役割を果たすことが示唆された。そして,その作用は歯周組織においてオートクリンの機構が働き,さらに咬合によって調節される可能性が示された。
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