研究概要 |
1. ラットへのフッ素(F),アルミニウム(Al)経口投与後の血清中のF,Al経時変化 (1) F 1mmol/kg同時経口投与後の血清中無機F、総F濃度の変化(n=6) 無機F 2.9ppm(30分)1.5ppm(240分)0.2ppm(8時間) 総F 4.6ppm(30分)2.3ppm(240分)2.0ppm(8時間) (2) Al 1mmol/kg単独経口投与後の血清中Al濃度の変化(n=6) Al 126ppb(30分)57ppb(240分)28ppb(8時間) (3) Al,F各1mmol/kg同時経口投与後の血清中無機F,総F,Al濃度の変化(n=6) 無機F 0.7ppm(30分)0.3ppm(240分)0.1ppm.(8時間) 総F 2.3ppm(30分)1.0ppm(240分)0.6ppm(8時間) Al 342ppb(30分)48ppb(240分)25ppb(8時間) FはAlの吸収を促進し、AlはFの吸収を阻害している可能性が示唆された。 2. フッ化物イオンとアルミニウムイオンの錯体構成比と吸収時の相互作用の機構 (1) 溶液中のFとAlの量比によって錯体構成比を変化させた7種の投与溶液を調整した。 (2) ラット7群(n=6)に各溶液を経口投与し,30分後の血清中F,Al濃度を測定。結果,両イオン種が構成する主要錯体種がAlF_3のとき血清中Al濃度に有意な増加がみられた。 3. ラットトランスフェリン結合型アルミニウムの分別測定 2.の投与条件で,投与30分後の血清中トランスフェリン結合型Al濃度を測定した結果,トランスフェリン結合型Al濃度はAlと同時投与するF量が増大するにつれ増加するが,その程度はAl総量の増加に比べゆるやかであった。
|