研究課題/領域番号 |
08457597
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
永井 恒司 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40061270)
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研究分担者 |
東山 公男 星薬科大学, 薬学部, 講師 (70101582)
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (00130758)
鈴木 勉 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (90130757)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 経皮吸収促進剤 / メントール / チオメントール / ケトプロフェン / ラット / 皮膚刺激 / logP値 / 化学シフト / log P値 / O-エチルメントール |
研究概要 |
分子内にS原子を含むメントール誘導体(チオメントール誘導体)を合成し、それらの経皮吸収促進活性および皮膚刺激性を評価することにより、従来に無い画期的な吸収促進作用を有する化合物の開発を試みた。(-)ーメントンあるいは(-)ーメントールを原料とし、16種類のチオメントール誘導体を合成し、それらの活性および刺激性をラットにより評価した。各化合物を含有するケトプロフェンヒドロゲルを調製し、ラットの腹部除毛皮膚に適用後、ケトプロフェンの血中濃度を測定した。ケトプロフェンの皮膚透過速度がラグタイムの後一定になると仮定して誘導した薬動学的モデルにより皮膚透過速度を推定し、促進剤を含まないゲルを適用した時の透過速度を基準として各化合物の促進活性を評価した。また実験終了後の皮膚を摘出し、組織学的検査を実施して皮膚に対する刺激性を調べた。その結果、チオメントール誘導体の吸収促進活性と皮膚刺激指数との間には正の相関が認められ、化合物が高い活性を示す場合にはその皮膚刺激作用も相対的に強くなるものと考えられた。促進活性発現には置換基の炭素数が重要であり最適な炭素数の存在が示唆された。また置換位置も重要であり2位と5位のメチル基が活性に大きく関与することが確認された。分子力場計算より求めた化合物の各種パラメーターから、高い吸収促進活性を得るためには最適なlogP値が存在し、またその化合物の構造が立体的に安定で分子サイズが小さいことが望ましいと推測された。さらにNMRスペクトルより求めた化学シフトの値からはC2、C6の化学シフトがより高磁場側に、C4、H1の化学シフトがより低磁場側に位置する化合物に高い経皮吸収促進剤活性が認められた。これらの知見は今後より活性の高い吸収促進剤の構造を設計する上で有効な指標になるものと考えられる。
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