配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
研究概要 |
1) 疎水性キレート化合物の合成 Diethylenetriaminepentaacetic acid(DTPA)のStearylamide(SAm),Stearyl esther(SE)を量産した. 2) レシチン膜マイクロカプセル(MC) Soybean lecithin(SL)-cholesterol(CH)-stearic acid(SA)-PVP系について,乾燥状態および水中で決定した相図を基に,Gd-DTPA-SAm含有膨潤型(5:5:2:5),エロージョン型(12:0:0:5),自己分散型(5:5:0:5)MCを噴流層コーティング法で調製した.これらを用いたラット肝動脈投与では,肝障害は回復可能な一過性であることを生化学的,組織学的に確認し,70%以上を臓器に滞留させることができた. 3) エマルジョン D1-179(melanotic)担癌ハムスターで,新たに調製法を確立したGd-DTPA-SAm-水素添加フォスファチジルコリン-大豆油-界面活性剤(Tween80,ポリオキシエチレンステアリルエステル(Myrj53),HC060)系エマルショシを腹腔内へ3mgGd相当量投与し,血中動態,臓器・腫瘍内のGd分布をみた.投与24時間後の腫瘍内濃度は,HCO60系(75nm)で最も高く62.6μgGd/g wet tissueに達した.さらに,HCO60系の薬物含量を2倍に高めた処方により,腹腔内投与48時間後の腫瘍内濃度を,治療レベルに達する107μgGd/g,Tumor/Blood比を13.7にすることに成功した. 4) デポ製剤用微粒子 エマルジョシ液滴融合法により,Gdを高濃度(固形分中13%Gd)に含有するキトサンナノ粒子(nanoCP,452nm)を調製し,B16F10melanoma担癌C57BL/6マウスに腫瘍内投与して中性子照射実験を行い、顕著な腫瘍成長抑制効果を得た.さらに,SCC-Vll偏平上皮癌皮下担癌雄性C3H/HEマウスにnanoCPを腫瘍内投与し,腫瘍成長抑制効果のGd投与量依存性を調べ,効果は600μgGd/gまでは投与量依存的に増大し、それ以上では頭打ちになることを見い出し、有効Gd濃度を定量的に明らかにした.
|