研究課題/領域番号 |
08457608
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉山 政則 広島大学, 医学部, 教授 (30106801)
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研究分担者 |
熊谷 孝則 広島大学, 医学部, 助手 (70274058)
伊藤 正樹 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60203171)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 膵液 / 膵臓癌 / 増殖促進作用 / ホスホリパーゼA_2 / MAPKキナーゼ / MARK / キナーゼ |
研究概要 |
平成8年度の研究成果として、Ca^<2+>キレート剤であるEDTA存在下においてさえも[^<125>I]-hPLA_2-Iの特異的結合が認められること;PLA_2による酵素消化物すなわちリゾリン脂質にはMIAPaCa-2に対する増殖効果がないこと;MIAPaCa-2に高濃度のhPLA_2-Iを添加しても、hPLA_2-Iの直接的な作用による生体膜からの脂肪酸の遊離は起こらないことなどを明らかにした。これらの結果から、hPLA_2-Iによって誘導される膵癌細胞の増殖促進作用は、hPLA_2-Iの消化酵素としての活性を介する反応ではなく、hPLA_2-Iの特異的レセプターを介したものであると結論づけた。 平成9年度は、その特異的レセプターを介したシグナル伝達経路を解明するため、hPLA_2-Iの膵癌細胞増殖促進作用とアラキドン酸カスケードおよび細胞分裂促進蛋白質キナーゼ(mitogen-activated protein kinase:MAPK)カスケードとの関連性を調べた。その結果、hPLA_2-Iの添加後、MAPKキナーゼ(MAPKK)→MAPK→ATF-2といった連鎖的なリン酸化反応が認められた。そこで、それぞれの経路の選択的阻害剤を用いて、hPLA_2-Iが与える膵癌細胞増殖促進効果への影響を調べた。その結果、アラキドン酸代謝酵素の阻害剤(インドメタシンやnordihydroguaiaretic acid)ではなく、MAPKKの選択的リン酸化阻害剤(PD98059)を加えた場合に、hPLA_2-I誘導型細胞増殖促進作用の阻害が観察された。すなわち、hPLA_2-Iによって誘導される膵癌細胞増殖促進作用は、アラキドン酸カスケードを介した反応ではなく、MAPKカスケードを介したものと結論した。
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