研究課題/領域番号 |
08457614
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小野嵜 菊夫 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20101313)
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研究分担者 |
瀧井 猛将 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80244573)
林 秀敏 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (80198853)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | IL-1 / IL-1レセプター / サイトカイン / ODC / アンチザイム / メラノーマ / IL-6 |
研究概要 |
IL-1は、免疫、炎症、造血などの種々の生体反応や、細胞の増殖分化に重要な役割を果たしている。本研究では、ヒトメラノーマ細胞(A375)に対する増殖抑制の系を中心に、IL-1のシグナル伝達系を明らかにする。本研究により、以下の点が、明らかになった。 1)IL-1による増殖抑制は、ポリアミン合成酵素ODCの活性制御因子、アンチザイムAZの転写の増加とともに、フレームシフト以外の翻訳以後の調節により増加するAZ蛋白によるODC活性の低下が重要であることが明らかになった。また、IL-1により活性化されるp38MAPキナーゼが、AZの翻訳以降のレベルで関与していることが明らかになった。さらに、細胞周期制御因子、p53,p21,p16などの発現やRbのリン酸化はIL-1処理により変化が見られなかった。 2)IL-1感受性、耐性株を細胞融合させたところ、IL-1の増殖阻害活性に対する感受性が優性であった。また、耐性株で見られるIL-1α、IL-6の恒常的産生も優性であった。従って、耐性株では、増殖抑制に至るシグナル伝達系が変異を起こしていること、感受性株でサイトカイン産生がみられないのは、産生に関与する因子の異常によるものではないことが明らかになった。 3)ヒトメラノーマの悪性化の指標である細胞接着分子の発現、IL-8やマトリクス金属酵素の産生、マトリゲルへの浸潤能について調べたところ、いずれも耐性株の方が感受性株よりも昂進しており、耐性株は、メラノーマの悪性化機構を調べる上で、よいモデルとなることが明らかになった。 4)LPSをマウスに注射すると、肝臓でのIL-1R1 mRNAの発現レベルが上昇するが、それには、IL-1,IL-6並びにグルココルチコイドが相乗的に働くことが明らかになった。さらに、肝細胞表面上のIL-1R分子数が、IL-6とグルココルチコイド処理により増加することが明らかとなった。
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