研究分担者 |
井街 宏 東京大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10010076)
中野 正博 産業医科大学, 保健情報, 助教授 (70141744)
阿部 裕輔 東京大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90193010)
藤正 巌 (藤正 巖) 政策科学大学院大学, 政策研究プロジェクトセンター, 教授 (30010028)
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研究概要 |
我々は,現代物理学的(主に量子力学)とファジ-データ処理法を融合させた,全く新しいデータ解析法・システム動分析法(量子システム分析法と名づけた)を開発した。この方法は,代表的な多変量解析の手法や,既存の数理生態学・人口動態論とも異なっている。量子システム分析法は,データに曖昧さが存在し,如何なる母集団に従うとしても,系の時間発展的記述や,将来予測・推計が可能な統一的方法論である。一般的な波動方程式から出発し,Fokker-Planck方程式とSchrondinger方程式を考慮し,近似的に確率密度関数の平方根が,Schrondinger方程式に似た式に従う事を仮定した。我々のシステム分析法が,量子力学と類似した方程式で記述されるために,物性論・原子核等の物理学で蓄積されてきた解析処理手法が利用できるという長所がある。試しに,我々は,有名なSchrondinger方程式の数値解析法を用いて医療の分野を記述するシステム方程式(消化器疾患・悪性新生物等)の将来予測問題に取り組み,実際の状況を良く再現することに成功した。さらに,データの曖昧さの処理には,新たにファジ-微・積分を定義し,データの平滑化を行なった。この処理法は,一般の移動平均法よりデータ各点の追従性に優れ,さらに研究者がフィンティング関数を指定する必要も無く,優れた関数フィンティング法として利用できる。このシステム方程式は,ハミルトニアンを持つために,システム構造解析・動態分析及び,構成要素間に相互作用が存在する場合にも適用でき,実際に都市の人口移動問題に応用し,マスター方程式が得られた。システムに加わる政策や操作を演算子として記述し,ファインマン図形の様なダイヤグラムによる解析を可能にすることが今後の課題である。
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