研究概要 |
著者は,親水性粒子(とうもろこし,小麦,馬鈴薯粒子)の除去に及ぼす機械力の影響について,粒子を付着させたガラス板を上向きと下向きに装着し,すでに報告した洗浄装置により水と界面活性剤を用いて洗浄した。全除去率は,時間と界面活性剤濃度が増すにつれて大となるが,ある一定時間および濃度に達するとそれ以上大きくならなかった。また,全除去率と流速との間には直線関係が得られ,流速が増すと全除去率も大となった。 流体中の粒子の除去挙動を,VTRとパーソナルコンピューターを組み合わせた装置により観察し、すでに報告した3つのタイプ,すなわちA_1型(粒子が流体の方向に基質に平行に移動し画面から消えるもの),A_2型(粒子が流体の方向に基質に平行に移動したあと再付着するもの)およびB型(それ以外のもの)があることがわかったが,今回用いた粒子では全ての洗浄条件でB型しかみられなかった。 F_<H1/2>(汚れを除去するのに必要な力)は上向きに装着した場合より下向きの帆が、水より界面活性剤をもちいたほうが,また低温より高温で洗浄した方が小さい力となり,これには粒子重力が影響したことが明らかとなった。 粒子径を粒度分布測定装置により測定した。粒子径は水温が高くなると,また浸漬時間が長くなると大きくなり、特に馬鈴薯粒子では顕著となった。また,用いた3種の親水性粒子は温度が高くなるにつれて膨潤し粒子としての形状を失うため,粒子として観察できるのは50℃が限界であることもわかった。
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