研究概要 |
運動が防衛体力に与える影響について検討した.はじめに運動と免疫に関する研究の状況を調べ研究をスタートした.運動による白血球の数および機能の変化について検討した結果,運動により白血球数が増加し,激しい運動負荷により好中球による活性酸素種産生が変動することが明らかとなった.局所免疫能の指標として唾液分泌型IgAについて採取方法,測定方法について検討し非侵襲的な方法として有用であることを確認した.合宿など集中的な運動負荷により唾液中のIgAが変動し,NK細胞活性も一過性に変動した.さらに運動による防衛体力,免疫機能の変化の機序を説明する因子として情報伝達物質であるサイトカインに着目し検討した.IL-2レセプターおよびIL-6レセプターの運動による変動が明らかとされ,またIL-12の変動についても確認された.以上より適切な運動負荷により防衛体力が向上する可能性が示唆された.
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