研究課題/領域番号 |
08458083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
和田 充雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90271650)
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研究分担者 |
下条 誠 茨城大学, 工学部, 教授 (90292474)
山口 明宏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60281789)
横井 浩史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90271634)
三上 貞芳 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50229655)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 生体内部ダイナミクス / 非線形力学系 / カオス / 強化学習 / マルチエージェント / 時系列予測 / 協調行動 / ヒューマンインタフェース / 人間感覚・行動 / 実時間無標点人間計測 / 触覚・グラスピング / マンマシンインタラクション / カオス・非線形相互作用 |
研究概要 |
人間の感覚行動の機構は、外界の複雑さに適応するために獲得された非線形情報処理のプロセスであり、多様な行動パターンの遷移、多義性の競合的認知など行動レベルの複雑適応システムとして人間行動を解明し理解につなげていく研究が重要になっている。他方、生物の持つ感覚と行動の情報処理プロセスは、最近の知見からは脳情報処理におけるカオティックな現象の関与や、いわゆる免疫システムに代表されるハイパーなシステムとして探求する必要性が強まっており、カオス計算、ニューロコンピューティングの理論的手法の開発から複雑適応システムとしての構成論的研究が重要視されている。本研究は、人間の行動に現れる微小な動きの生体カオスから認知行動レベルまでを計測し、解析、同定、モデル化して評価する生態学的な手法にまとめあげることを目標に以下の課題に取り組んできた。 (1) 生体非線形ダイナミクスの解析:生体生理レベルでの同調、遷移、競合等の非線形ダイナミクスの解析に基づく予測評価の研究 (2) 自己組織的情報処理モデル:認知的行動の特徴を抽出するニューロエージェント群の自己組織的構成及び学習手法の研究 (3) 行動生態学的計測評価手法:ヒューマンインタフェースにおける人間行動の生態学的な計測評価手法の研究 本研究の結果、(1)では、生体信号の解析からカオティックカップリングにより人間の感覚行動を多義性・多様性を伴う特徴をとらえる非線形の刺激反応システムとして予測評価モデル化を達成した。(2)では、多数のニューロエージェントを時間空間的に自己組織化するパルスニューラルネットワークの手法を開発し、知覚情報を統合する制御や認知情報処理など新たな知見を得た。(3)では、ヒューマン・マシン・インタラクションにおいて競合と協調を伴いつつ親しみ易さや使い易さが増していく(あるいは減じていく)認知行動課題の評価実験を行い、人間行動における状況依存性を考慮したインタフェース設計の評価資料を得た。これらにより人間機械系においてこれまで評価の難しかった生理的及び心理的な要因が重なる非明示的なヒューマンファクターに対する理論的実験的アプローチと新たな統合的評価の枠組みを提供できたと考えている。
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