研究概要 |
非中性プラズマは同じ極性の電荷をもった粒子で構成され,プラズマの基本的な性質を調べる対象として適している.本研究では以下のような新しい現象の知見をえた. 1.超高磁場(B≦8T)における双極形静電ポテンシャルと一様軸方向磁場で行う閉じ込め(以下略称:MREトラップ)に関した実験で,周辺壁に誘起する鏡像電荷を相殺するようにポテンシャル配位を補正することで,プラズマ閉じ込めが大きく改善されることを示した. 2.MREトラップ内の静電固有振動のモード間に非線形遷移が明確な形で現れることを見出した.その遷移現象には,振動振幅の閾値,側帯波の発生等があることも見出している. 3.電子プラズマのディオコトロン振動が軸対象静電波を励起して抑制することができることを示した. 4.回転楕円体形状をもつ電子プラズマのディオコトロン振動の分散関係は,楕円体のアスペクト比が小さいときはDubinの分散関係に近づき,同比が大きいときの分散関係は円柱プラズマのそれに漸近することを見いだした. 5.回転楕円体プラズマの静電固有波動の振動数の温度依存性は,プラズマの誘電率に温度変化を取り入れることで計算で求められることを示した.
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