研究課題/領域番号 |
08458118
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関村 直人 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (10183055)
|
研究分担者 |
岩田 修一 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50124665)
石野 栞 東海大学, 工学部, 教授 (70010733)
河西 寛 東京大学, 工学系研究科, 助手 (40010970)
岩井 岳夫 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (30272529)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
キーワード | 組合せ照射 / 材料モデリング / 中性子照射 / イオン照射 / カスケード損傷 / 欠陥集合体 / 照射損傷 / 金薄膜 |
研究概要 |
組み合わせ照射試験は、モデリングのための新たな知識を獲得してゆくこと、及び質的に高い材料情報を短期間に得ることを目的とする。組み合わせ照射とは、中性子照射された試料に対して別の条件での中性子照射を行うこと、あるいはイオン照射、電子線照射を行うこと、また逆に、イオン照射、電子線照射を行った試料に対して、中性子照射を行うことなどが含まれる。中性子照射した金薄膜においては、ある照射量までの範囲では照射量に伴って1乗の割合で欠陥クラスターの密度も増加しており、それ以後は1乗より高い割合で密度が増加することがわかった。高エネルギーの1次はじき出し原子は一つの大きなカスケードを作るのではなく、枝別れした複数のカスケード(サブカスケード)を作り、欠陥クラスターは試料中に一様に分布せず欠陥クラスターが密集した一つのグループを形成する。グループ中の欠陥クラスター数の分布は、照射量が増すに従ってクラスター数の多いグループの方へ分布がシフトしていた。これは、低照射量ではカスケード損傷によって欠陥クラスターを形成するものの他に観察不可能な空孔の集合体として試料中に残存するものがあり、これらが欠陥クラスター密度が高くなるにしたがい、近くに形成されたカスケードから影響を受け欠陥クラスターとして観察されるようになるためと考えられる。今後の材料照射試験は、1)材料挙動のモデル化とその高度化・検証が重要性を増すと考えられる。中性子照射試験は、2)高品質照射データの取得と評価が必要であり、3)材料評価手法が高度化・多様化されなければならない。これらはモデル化を通じて、4)耐照射性の高い材料開発と革新的材料技術との連携を可能とすると考えられる。このように材料モデリングに必要な要素過程の分離、抽出、定量的表現や不確定パラメータの実測には、組み合わせ照射試験が有効であることが明らかとなった。
|