研究課題/領域番号 |
08458147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
工藤 章 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (00281113)
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研究分担者 |
寺島 泰 京都大学, 工学部, 教授 (50019717)
菅原 正孝 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60026119)
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90178145)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | アイスコア / プルトニウム / セシウム-137 / フォールアウト / 北極 / 北極アイスコア / 放射性セシウム / 微量分析 |
研究概要 |
原子エネルギー利用により発生した高レベル放射性廃棄物の最終処分が全世界的な課題となり、日本でも最低1万年の放射性物質の封じこめ性能を有する地中処分場の建設開始が目前にせまっている。処分場建設の技術的要件は、地殻変動、陸水の酸性化、気候変動等の環境要因により大きく異なる。従って、過去の地球環境の歴史の調査を実施し、その結果から今後一万年以上の地球環境の変動を予測することが重要である。 今回の研究では、採取したアイスコアの氷層毎に、大気中核爆発由来のフォールアウトであるプルトニウム(^<239+240>PU)、セシウム(^<137>Cs)等の放射性核種を、アルファ線スペクトロメトリー法・コンプトン抑制型ガンマ線スペクトロメトリー法等により測定した。アイスコアからは、511回の大気中核実験に由来するフォールアウト放射能が検出された。^<137>Csの北極圏(80-90N)における降下量は、降雨量と相関していたが、^<239+240>PUの北極圏降下量は、降雨量以外の要因に支配されていた。また、長崎原爆由来の^<239+240>PUの北極圏への到達率は、^<137>Csのそれに比べて小さいことが明らかになった。1986年のチェルノブイリ原発事故による放射能も北極に到達していた。これらの放射能の北極への到達比率は、大気圏における粒子状物質の輸送の指標として用いることができると考えられ、火山の爆発などによる気候変動の機序の解明に役立つと考えられた。さらに、申請者らは、貴重なアイスコアを最大限に活用する目的で、非破壊的にアイスコアの電気伝導度を測定する装置を考案し、アイスコアの電気伝導度を測定した。その結果、アイスコアの処理による若干の誤差はあるものの、溶解したアイスコアの電気伝導度とよく相関する測定値が得られることがわかった。さらに、アイスコア中の酸素同位体比の測定による、過去の気候の推定にも着手した。
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