研究課題/領域番号 |
08458168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
椿 宜高 国立環境研究所, 生物圏環境部, 上席研究官 (30108641)
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研究分担者 |
冨山 清升 (富山 清升) 鹿児島大学, 理学部, 助手 (30272107)
永田 尚志 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (00202226)
高村 健二 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (40163315)
山根 明弘 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 科学技術庁特別研究員
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 野性生物 / 遺伝的多様性 / 左右対称性のゆらぎ / 自然淘汰 / 性淘汰 / 保全生物学 / 固体群 / 生存力 / 野生生物 / 個体群 / 寄生虫 / 免疫 / 遺伝的変異 / ヘテロ接合度 / 地域個体群 |
研究概要 |
野生生物の適応度の測定は野外では困難であることから、遺伝的多様性の低下が適応度に及ぼす影響の解明は進んでいない。しかし、適応度の指標として「左右対称性のゆらぎ(FA)」が利用可能なことがわかってきた。これは本来左右対称であるべき形質のわずかな左右の狂いを指標とするものである。FAはどのような個体にも存在するが、遺伝的多様性との相関、適応度との相関が最近の研究で明らかにされつつある。 そこで,適応度(個体の生存・繁殖力)を評価するための指標としての「左右対称性のゆらぎ」と、集団サイズおよび近親交配の程度と適応度の関係を野生動物(トゲウオ、オオヨシキリ、ミカンコミバエ、ギフチョウなど)において評価し、一定の成果をえた。動物の色彩はその個体の健康状態を表現していることは家畜の飼育家にはよく知られた現象である。とくに性的な色彩多型を有する種では、オスの色彩についての集団平均はその生息環境の質(餌の得やすさ、寄生虫の有無、発育を阻害する化学物質の存在など)を表現している可能性が高い。鮮やかな色のオスがたくさんいる集団は恵まれた環境に生息している可能性が高いが、みすぼらしい色のオスだかりかいる集団は、生息環境として貧弱で何らかの改善が必要な生息地である可能性が高い。また、餌の豊富さだけでなく、動物自身の餌の獲得能力も色彩に影響する重要な要素である。とくにカワトンボについて色彩の測定法を開発し、適応度と色彩の鮮やかさの関連性を明らかにした。 また、集団の絶滅可能性の評価を総合的に行なう理論的基礎を確立する目的で、環境の変動、出生・死亡の確率変動、遺伝的多様性の低下や集団のパッチ状分布が種の絶滅確率にどのような影響を与えるかに関する理論的研究も行なった。
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