研究課題/領域番号 |
08458193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
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研究分担者 |
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
櫨木 修 東京大学, 薬学部, 助教授 (80142751)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | NAD / 環状チADPボ-ス / NADアーゼ反応 / G蛋白質 / リンパ球表面抗原CD38 / チロシンリン酸化 / シグナル伝達 / 環状ADPリボース |
研究概要 |
我々は先に、NAD^+を基質とした細菌毒素の触媒するG蛋白質のADPリボシル化の研究を背景に、レチノイン酸によるHL-60細胞の好中球への分化過程にNADアーゼが誘導され、この酵素活性がリンパ球表面抗原のCD38分子によることを明らかにした。CD38はアメフラシの卵精巣より単離されたADPリボース環化酵素と構造上類似し、さらにその生成物である環状ADPリボースは、IP_3と同様にある細胞内プールからCa^<2+>を放出させる作用、あるいはその調節因子として機能することが期待されている。本研究では、細胞内外でNAD^+を基質とする代謝酵素がシグナル伝達系において果たす生理的役割を解析し、以下の知見を得た。 1.CD38-発現リンパ球系細胞をある種の抗CD38単クローン抗体で刺激すると、c-cbl癌遺伝子産物を含むいくつかの細胞内蛋白質がチロシンリン酸化された。2.この抗CD38抗体刺激は、化学遊走因子の受容体を介する活性酸素産生を著しく増強した。3.刺激性抗CD38抗体のエピトープはすべてCD38のC-末端近傍部位に位置し、この領域はNADアーゼの活性発現にも重要であった。4.抗CD38抗体刺激による細胞内チロシンリン酸化へのシグナル伝達経路には、CD38の細胞内領域及び細胞外の糖鎖修飾は関与せず、FcγII-受容体を介する機構が推定された。5.CD38遺伝子の第1イントロン内には核内レチノイン酸受容体との結合が予想される共通配列が存在し、レチノイン酸によるCD38の転写調節はこの領域を介することが明らかにされた。
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