配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
CoLE2プラスミドの複製開始蛋白(Rep)は複製開始部位(Ori)に特異的なプライメースである.Rep蛋白の合成量は、mRNAに対するアンチセンスRNA(RNAI)の負の調節作用により、一定に保たれている.Rep蛋白はトランスにも作用し得るので、DNA複製開始の頻度を効率よく調節する機構は不明である.本研究では,以下のような成果を得た.(1)欠失変異を利用してRep蛋白mRNAの開始コドンからはるか上流の非翻駅領域および翻訳領域内の配列が翻駅開始に重要な役割をもつことを示した.これらの領域に塩基置換変異をもつものが得られている.(2)フットプリント実験の結果,Rep蛋白がOri部位中の約30塩基対の領域をDNA鎖の片側から覆うように結合し,プライマー合成部位とその下流領域にDNA構造の変化を引き起こすことが示された.(3)Ori部位の最小領域内の各位置に塩基置換を導入し,それらの性質を詳細に調べた.Ori部位が少なくとも3つの領域に分けられることが示された.Repタンパク結合が低下した変異Ori部位をもつ自立複製プラスミドは野性型のもよりコピー数が高く,Repタンパクの安定な結合が過剰複製を抑えている可能性が示唆された.複製開始頻度を一定に保つ仕組の一つであるかも知れない.(4)Rep蛋白のC末端側117アミノ酸の領域に相当するペプチド(RepC117)がOri部位特異的なDNA結合活性を保持していることを示した,(5)ランダムな塩基配列をもつオリゴヌクレオチドからRep117特異的に結合するものを選択,増幅した結果,Ori部位の左半分の領域に当たる共通配列が見い出された.その領域の大きさから判断してRep117中には複数のDNA結合ドメインが存在する可能性が考えられる.
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