研究課題/領域番号 |
08458221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 時雄 九州大学, 理学部, 助教授 (80197516)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 分裂酵母 / mRNA / 輸送 / 変異株 / ユビキチン / 核 / 遺伝子 / mRNA輸送 / 転写因子 / ATP / GTP結合蛋白 / 温度感受性変異 |
研究概要 |
mRNAの核から細胞質への輸送過程は、真核生物の遺伝子発現において極めて重要な一段階であるが、その機構には未だに不明な部分が多い。我々は、mRNA核外輸送の分子機構を明らかにすることを目的として、遺伝的操作が行いやすく、かつ、高等真核生物との類似点の多い分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)の温度感受性致死変異株バンクの中から、mRNAの3'末に存在するポリA部分にハイブリダイズするoligo dTをプローブに用いたin situ hybridizationによるスクリーニングを行い、制限温度下にシフトするとmRNAの核から細胞質への輸送が阻害される温度感受性変異株7株(ptr1〜ptr7)を同定した。更に、分裂酵母の遺伝子ライブラリーを用い、それぞれの変異について機能相補する野生型遺伝子を分離した。その結果、ptr1^+はubiquitin ligase E3様因子、ptr2^+は細胞周期制御に関与するRCC1遺伝子(Ran/TC4のguanine nucleotide exchange factorをコードする)の分裂酵母での相同遺伝子、ptr3^+はubiquitin activating enzyme E1 因子、ptr4^+は染色体分離に関わるCut1p、ptr6は転写因子TAFII55相同因子をそれぞれコードしていることが明らかとなった。ptr5^+とptr7^+は新規な因子をコードしていた。これらの結果から、ユビキチン化システムがmRNAの核から細胞質への輸送過程において、極めて重要な役割を担っていること、及び遺伝子の転写や細胞周期制御などの細胞内諸反応機構と、mRNA核外輸送機構との間に密接な関連性が存在することが示唆された。
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