研究課題/領域番号 |
08458226
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渋谷 正史 東京大学, 医学研究所, 教授 (10107427)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | Flt受容体 / 内皮細胞増殖因子 / シグナル伝達 / 腫瘍血管 |
研究概要 |
VEGFファミリー受容体の血管新生における意義を検討するため、Flt-1(VEGFR-1)およびKDR-Flk-1(VEGFR-2)チロシンキナーゼからのシグナル伝達を検討した。これらはVEGFの高親和性受容体で、Flt-1は我々が最初に単離した遺伝子である。 (1)Flt-1は、キナーゼ活性が非常に弱く、そのシグナル伝達は不明な点が多い。NIH3T3-Flt-1細胞株の中から、始めてVEGF依存性にFlt-1自己リン酸化が容易に検出できるNIH3T3-Flt(1)-3細胞株の樹立に成功した。その結果、解析が容易になり、VEGF添加後、自己リン酸化Flt-1へのPLCγの結合およびMAPキナーゼ活性化が観察された。阻害剤の解析から、このMAPキナーゼ活性化はC-キナーゼ活性化を介するものと結論した。(2)Flt-1タンパクをBaculovirus系で大量発現した結果、リガンド比依存性にFlt-1が強く自己リン酸化されることを見い出した。そこで、この系とFlt-1変異体を用い、PLCγのFlt-1の結合部位は主にリン酸化Y1169を含む領域であることを明らかにした。(3)KDR-Flk-1のシグナル伝達を検討した。ラット肝臓より類洞壁内皮細胞(SCE)を調製し、初代培養系としてもちいた。SCEでは、KDR-Flk-1の自己リン酸化と共に、速やかで強いMAPキナーゼの活性化と速やかな細胞増殖が認められた。受容体からMAPキナーゼの間にはPLC_Y、PKC(特にPKCβ)の活性化と、c-Raf、MEKの活性化が認められたが、Rasの活性化、P13K経路の活性化はほとんど認められず、他の多くの受容体型チロシンキナーゼのシグナル伝達と異なる事実が明らかとなった。
|