研究課題/領域番号 |
08458235
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
松本 清治 (1997) 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (40190532)
矢原 一郎 (1996) 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (60109957)
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研究分担者 |
藍澤 広行 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (90221704)
飯田 和子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (40151229)
森山 賢治 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (00250217)
松本 清治 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物, 研究員 (40190532)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | ストレス蛋白質 / 熱ショック蛋白質 / ストレス応答 / 細胞防御機構 / HSP90 / 分子シャペロン / コフィリン / アクチン |
研究概要 |
1-1.ストレス蛋白質HSP90は、熱変性したホタルのルシフェラーゼをトラップし、その会合沈殿を防ぐ作用をもつことを見いだした。HSP90とシフェラーゼ複合体は、HSP70、HSP40とレティキュロサイトライセ-ト中に含まれる未知の第3成分の作用によて解離し、ルシフェラーゼは再生することを明らかにした。 1-2.ストレス蛋白質HSP90は生理的条件でホモ2量体であり棒状の構造である。今回、N端およびC端に特異的な抗体の修飾と電子顕微鏡観察によって、N端が棒の両端に位置し、C端は棒の中間にあることが分かった。 1-3.酵母にはHSP90関連遺伝子が2個、HSP82とHSC82がある。HSC82を高発現するとカナバニンに対し超感受性になり、欠損させると抵抗性になることを見いだした。他のストレスに対しても同様な傾向を示す。この理由に一つは、ストレス下において動員される蛋白質分解系のどこかが、HSC82高発現下に抑制されることが明らかとなった。また、カルシニューリンの機能阻害も関係あることを見いだした。 2-1.NMRによて立体構造を解明した。その結果、コフィリンの立体構造は、ゲルゾリンの6回繰り返している基本セグメントの立体構造と非常によく似ていることが明らかになった。また、両者の構造から、コフィリンがCa^<2+>依存的にアクチンに結合することが説明できた。 2-2.細胞性粘菌で、コフィリンを過剰発現させると、大量のアクチン束が認められた。イン・ビトロ実験により、アクチンネットワークがコフィリンの作用で切断され、アクチン束に変換されることを示唆する結果をえた。また、細胞を高浸透圧ストレスにさらすと、アクチン束が収縮することを見いだした。 2-3.コフィリンはリン酸化によって、アクチンへの結合能を失うことを見いだし、そのリン酸化はN端から3番目のセリン残基に起こることを同定した。 2-4.出芽酵母のコフィリン温度感受性変異株を、マルチコピーで救済する遺伝子SCF1を単離したところ、機能が未知のアクチン結合蛋白質をコードする遺伝子AIP1と同じであった。Scf1は8個のWD40リピートをもち、その中の最後の2個を欠落させるとサプレッサー活性が消失した。SCF1は生存に必須の遺伝子ではない。 2-5.細胞性粘菌のAIP1cDNAと蛋白質を単離した。生化学的実験によりAIP1はアクチン繊維に結合し、コフィリンに対し感受性を高めることが明らかになった。
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